ZuckerbergのAI広告ツール、ソーシャルメディアの悪夢となる可能性

Mark Zuckerberg Meta

  • Meta CEOのMark Zuckerberg氏が完全自動化されたエンドツーエンドのAI広告ツールの計画を発表
  • このツールは数千のAI生成「テスト」広告をFacebook、Instagram、Threadsユーザーに表示する予定
  • ユーザー体験の観点から見ると、既にAIコンテンツで溢れるプラットフォームにさらなる懸念
  • 広告業界からの反発も予想される中、Zuckerberg氏は計画を推進する構え

Zuckerberg氏が描くAI広告の未来像

テクノロジー企業の幹部たちは長らく、AIが広告業界を革新するという話をしてきた。特にMeta CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、自社がどのようにその変革を主導したいかについて非常に明確に発言している。

火曜日にサンフランシスコで開催されたStripeの年次カンファレンス「Sessions」の舞台で、Zuckerberg氏はブラックボックス型のエンドツーエンドAI広告ツールで広告業界全体を自動化する計画を明らかにした。

AI生成の「テスト」広告が大量に投入される計画

Zuckerberg氏によると、このような製品の重要な要素は、数千のAI生成「テスト」広告をFacebook、Instagram、Threadsのユーザーの前に表示することだという。

「ここでの基本的な最終目標は、どのビジネスでも我々のところに来て、彼らの目的を述べ—新しい顧客にこのことをさせる、またはこれらのものを売る—そしてその結果を達成するためにいくら支払う意思があるかを教え、銀行口座を接続すれば、我々はただできるだけ多くの結果を提供するというものだ」と彼は説明した。「ある意味では、究極のビジネス結果マシンのようなものだ。これは構築される最も重要で価値のあるAIシステムの一つになると思う」

Metaの広告自動化戦略とその影響

Zuckerberg氏は先週、Ben Thompson(ベン・トンプソン)氏のStratecheryポッドキャストでこの仮説的なマシンについて初めて説明したが、Zuckerberg氏が想定する通りに構築された場合、広告業界に大きな影響を与えることになるだろう。Sessionsでの登壇中、Zuckerberg氏はMetaがこのAIを導入した場合でもクリエイティブな広告代理店は存続し続けるだろうと推測しつつも、中小企業は「クリエイティブから始める必要はない」かもしれず、Metaが彼らの広告運用のすべてを単純に処理できると述べた。

実際、Zuckerberg氏はSessionsで、Metaの広告ツール(その多くは生成AIの機能を持つ)は既に十分に洗練されているため、同社は顧客がターゲットにしたい層を指定することさえ推奨していないと断言した。Metaのツールは人間のマーケターよりも効果的に関心のあるユーザーを見つけることができると、Zuckerberg氏は主張する。彼によれば、次の論理的ステップは、このデータ駆動型の最適化をクリエイティブ面に適用することだという。

「我々は4,000種類ものクリエイティブのバージョンを考え出し、それらをテストして、どれが最も効果的かを突き止めることができるようになるだろう」とZuckerberg氏は述べた。

ユーザー体験への懸念

このような解決策は企業にとって魅力的かもしれないが、AIによる広告テストがMetaのプラットフォームにどのような影響を与えるかは、ユーザー体験の観点から見ると大きな疑問だ。これらのプラットフォームは既に生成AI的な質の低いコンテンツで溢れている。

Metaはフィード内でAI生成画像やコメントを実験したり、ユーザーが対話できるAIチャットボットを導入したりしてきた。同社は最近、生成AIコンテンツに特化したソーシャルポータルと専用アプリを立ち上げた。今後は、広告という新たな生成AIのカテゴリーがMetaのソーシャルメディアエコシステムを混乱させようとしている。

Metaのプラットフォームでユーザーが「製品」であり、広告主が「顧客」であることが以前から明らかでなかったとしても、それが明白になろうとしている。AI生成広告のテストは企業に価値をもたらすかもしれないが、それはユーザーがさらに多くの質の低いコンテンツに耐えなければならないことを意味する。

広告業界からの反発

広告業界もZuckerberg氏のビジョンを好意的に受け止めそうにない。

クリエイティブ分野での生成AIの使用倫理については、大きな反発がある。2024年10月には、1万1,000人以上のクリエイターがAIシステムのトレーニングに人間が生成したアートを使用することを非難するオープンレターに署名した。クリエイターはまた、MidjourneyやStability AIなどのAIアートツールを開発する企業に対して訴訟を起こしている。

公平を期すために言えば、AI ツールが自分たちの生計を脅かすことはないと信じているクリエイターや広告幹部も同じくらい多い。広告代理店The&Partnershipの創設者Johnny Hornby(ジョニー・ホーンビー)氏は火曜日に、成功するブランディングキャンペーンを作ることはまだ人間特有の仕事であると主張する論説を発表した。

いずれにせよ、Zuckerberg氏は広告業界を自動化し、Metaのフィードを広告代理店やユーザーの好みに関わらずAIで満たす方法について、かなり明確なアイデアを持っているようだ。

引用元:TechCrunch
Mark Zuckerberg’s AI ad tool sounds like a social media nightmare

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