- 米国著作権局が、人間の介入のないAI生成作品への著作権保護を完全に否定する方針を発表。
- AIの補助的利用は認められるが、AIが独自に生成した画像などには著作権を付与せず。
- 著作権判断は個別のケースごとに行われ、AIコンテンツに対する新たな法的原則の確立が必要。
米国著作権局の新方針概要
米国著作権局(USCO)は、大規模言語モデルなどのAIシステムによって生成された出力物の著作権可能性に関する第2次報告書を公開した。この報告書は、AI作品への人間の貢献度に焦点を当てており、これが著作権適用可否の決定的な要因となっている。
USCOは本件に関して1万件以上のコメントを受け取った。その大多数は、既存の著作権法をAI出力物に純粋に適用することが適切だとの見解を示した。ただし、何らかの形で人間が貢献しているAI生成作品については、意見が分かれる結果となった。
単純生成のAIコンテンツは著作権保護の対象外
同局は、単にプロンプトテキストをAIサービスに入力して生成されたコンテンツには、著作権や著作者性を認めないとしている。MidjourneyなどのAIサービスで生成された画像は、プロンプトの複雑さに関係なく、著作権保護の対象とはならない。これは、「制作者」が生成プロセスを実質的にコントロールすることなく、ブラックボックスのAIシステムの「サイコロを振り直している」に過ぎないためだ。
人間が編集したAI創作物は著作権保護対象の可能性
USCOは、創作プロセスを補助するAIツールと、人間の創造性の代替として利用される「生成的」サービスを明確に区別している。映画製作協会などの業界団体から提出されたコメントでは、俳優の年齢操作やシーンからの物体除去などにAIシステムを利用するケースが例として挙げられた。AIの補助的利用は著作権保護を制限しないが、AIシステムによる「表現的」な選択については更なる分析が必要とされている。
今後の展開
この報告書は、生成AIの時代における著作権に関する分析シリーズの一部だ。第1次報告書は2024年7月に公開され、ディープフェイク対策のための新法制定を求めていた。続く第3次報告書では、AIモデルのトレーニングに関する重要な問題、特にAI企業が著作権で保護された作品を無償で利用してAIサービスを構築することの是非について取り扱う予定だ。
引用元:TechSpot
US Copyright Office rules out copyright for AI created content without human input