要点まとめ
- AI音楽生成企業Suno社が、AIモデルの学習における著作権楽曲使用を「フェアユース」と主張。
- RIAAは「産業規模の侵害」としてフェアユースの適用を否定、アーティストの権利を主張。
- 著作権侵害1件につき最大15万ドルの損害賠償を求める訴訟に発展。
Suno社のフェアユース主張
RIAAと複数のレコード会社から訴訟を提起されているAI音楽生成企業Suno社が、著作権楽曲を用いたAIモデルの学習は「フェアユース(公正使用)」に該当すると主張した。
SunoのCEO兼創業者Mikey Shulman(マイキー・シュルマン)氏は8月1日付のブログ投稿で、「インターネット上で入手可能な中質から高質な音楽でモデルを学習させている」と説明。「インターネット上のコンテンツの多くは著作権で保護され、その一部は大手レコード会社が権利を持っている。しかし、ロック音楽を聴いて自分の楽曲を作る若者や、新しい知見を得るために既存の素材を検討する教師やジャーナリストのように、学習自体は侵害に当たらない。これまでもそうだったし、今もそうである」と主張した。
同様に訴訟を受けているUdio社も8月1日に反論を展開。「オペラ、ジャズ、ラップミュージックといった音楽的特徴が専有可能だとする訴訟の前提は誤りであり、数十年にわたる司法判断により、特定の企業が音楽のジャンルやスタイルを支配することはできないと確立している」と主張している。
RIAAは主張を批判
RIAAの報道官は両社の主張を強く批判。「数か月にわたる回避と誤導の末、被告らは最終的にアーティストの録音物の大規模な無許可コピーを認めた。これは訴訟で追及されるまで隠蔽しようとしていた事実の重大な認容である。産業規模の侵害は『フェアユース』には該当しない。アーティストの一生の作品を盗み、その本質的価値を抽出し、オリジナルと直接競合するように再パッケージ化することに公正性はない」と述べた。
6月24日に提起された訴訟では、Sony Music Entertainment、Universal Music Group、Warner Records社が原告として参加。「想像を絶する規模」の著作権侵害として、侵害された作品1件につき最大15万ドルの損害賠償を請求している。また、両AI企業による著作権楽曲を用いた学習の差し止めも求めている。
引用元:MusicTech
Suno claims using copyrighted songs to train its AI model constitutes “fair use”