- 日本コンテンツ海外流通促進機構(CODA)がOpenAIに無断での著作物の機械学習使用中止を要請
- ChatGPTの画像生成機能でジブリ風画像が大量生成、CEO Sam Altman氏もプロフィール画像に使用
- Soraアプリで著作権キャラクターや故人の有名人のディープフェイク生成が容易に
- 日本の著作権制度では事前許可が原則必要、CODAは機械学習プロセスでの複製が著作権侵害に該当する可能性を指摘
スタジオジブリがOpenAIの著作権侵害を懸念
スタジオジブリのような出版社を代表する日本の業界団体は先週、OpenAIに書簡を書き、AI大手が許可なく著作権で保護されたコンテンツでAIモデルをトレーニングするのをやめるよう求めた。
「千と千尋の神隠し」や「となりのトトロ」などの映画を制作するアニメーションスタジオであるスタジオジブリは、OpenAIの生成AI製品の影響を特に受けている。3月にChatGPTのネイティブ画像ジェネレーターがリリースされたとき、ユーザーがスタジオの映画のスタイルで自分撮りやペットの写真の再作成をプロンプトすることが人気のトレンドになった。OpenAIのCEO Sam Altman(サム・アルトマン)氏でさえ、X上のプロフィール画像を「ジブリ化」した画像に変更した。
現在、より多くの人々がOpenAIのSoraアプリと動画ジェネレーターにアクセスできるようになったため、日本コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、OpenAIがメンバーのコンテンツを許可なく機械学習に使用することを控えるよう要請した。
OpenAIの「許可より謝罪」アプローチへの批判
このリクエストは突然のものではない。著作権で保護されたコンテンツを扱うOpenAIのアプローチは、許可ではなく謝罪を求めることであり、これによりユーザーが著作権で保護されたキャラクターや故人の有名人の写真や動画を生成することが非常に簡単になった。このアプローチは、任天堂やMartin Luther King, Jr.(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)牧師の遺族などの機関からの苦情をもたらした。彼らはSoraアプリで非常に簡単にディープフェイクされる可能性がある。
OpenAIがこれらのリクエストに協力するかどうかを選択するのは、OpenAI次第だ。そうでなければ、被害者は訴訟を起こすことができるが、米国の法律はAIトレーニングのための著作権で保護された素材の使用について依然として不明確だ。
米国と日本の著作権法の違い
これまでのところ、判事が著作権法の解釈を導くための先例はほとんどない。著作権法は1976年以来更新されていない。しかし、米国連邦判事William Alsup(ウィリアム・アルサップ)氏による最近の判決では、Anthropicが著作権で保護された書籍でAIをトレーニングすることで法律に違反しなかったことがわかった。ただし、同社はトレーニングに使用した書籍を海賊版したことで罰金を科された。
しかし、日本のCODAは、これが日本では著作権侵害と見なされる可能性があると主張している。
「Sora 2のように、特定の著作物が出力として複製または類似して生成されるケースでは、CODAは機械学習プロセス中の複製行為が著作権侵害を構成する可能性があると考えている」とCODAは書いた。「日本の著作権制度の下では、著作物の使用には一般的に事前許可が必要であり、その後の異議申し立てによって侵害の責任を回避できるシステムはない」
宮崎駿監督のAIへの嫌悪感
スタジオジブリの中心的なクリエイティブフィギュアの1人である宮崎駿(みやざき はやお)監督は、AI生成された自分の作品の解釈の増殖について直接コメントしていない。しかし、2016年にAI生成された3Dアニメーションを見せられたとき、彼は「本当にうんざりしている」と答えた。
「このようなものを見て面白いとは思えない」と彼は当時述べた。「これは生命そのものへの侮辱だと強く感じる」
引用元: TechCrunch「Studio Ghibli and other Japanese publishers want OpenAI to stop training on their work」
