- GoogleがProject Marinerを本格展開、月額249.99ドル(約3万4,000円)のAI Ultraプラン加入者に提供
- クラウド仮想マシンで動作、最大10タスクの同時処理が可能に大幅アップデート
- Ticketmaster、StubHub、Resy、Vagaro等と連携してエージェント機能を提供
- OpenAI Operator、Amazon Nova Act、Anthropic Computer Useと競合
Google I/O 2025でProject Mariner本格展開を発表
GoogleはGoogle I/O 2025において、ウェブサイトを閲覧・利用する実験的AIエージェントであるProject Marinerを、より多くのユーザーと開発者に展開することを発表した。Googleはまた、Project Marinerの動作方法を大幅にアップデートし、エージェントがほぼ10個のタスクを同時に処理できるようになったと述べている。
Googleの新しい月額249.99ドル(約3万4,000円)のAI Ultraプランの米国加入者がProject Marinerにアクセスでき、同社はより多くの国でのサポートが間もなく提供されると述べている。GoogleはまたProject Marinerの機能をGemini APIとVertex AIに導入し、開発者がエージェントを活用したアプリケーションを構築できるようにすると述べている。
2024年後半から進化したウェブブラウジングAI技術
2024年後半に初披露されたProject Marinerは、ユーザーがAIエージェントを通じてインターネットとやり取りする方法を刷新するGoogleの最も大胆な取り組みを表している。発表時、Google検索のリーダーたちは、Project Marinerを根本的なユーザー体験の変化の一部と見なしており、人々がウェブサイトを訪問してタスクを自分で完了する代わりに、より多くのタスクをAIエージェントに委任するようになると述べた。
例えば、Project Marinerユーザーは野球の試合のチケットを購入したり、オンラインで食料品を購入したりできるが、サードパーティのウェブサイトを訪問する必要はない。GoogleのAIエージェントとチャットするだけで、エージェントがウェブサイトを訪問し、彼らに代わってアクションを実行する。
競合AIエージェントとの比較とクラウド化による性能向上
Project MarinerはOpenAIのOperator、AmazonのNova Act、AnthropicのComputer Useなど、他のウェブブラウジングAIエージェントと競合している。これらのツールはすべて実験段階にあり、プロトタイプは動作が遅く、間違いを起こしやすいことが証明されている。
しかし、Googleは初期テスターからのフィードバックを受けて、Project Marinerの機能を改善したと述べている。Googleの広報担当者は、同社がProject MarinerをOpenAIやAmazonのエージェントと同様に、クラウド内の仮想マシンで動作するようにアップデートしたと語った。これにより、ユーザーはProject Marinerがバックグラウンドでタスクを完了している間に他のプロジェクトに取り組むことができ、GoogleによるとProject Marinerは最大10タスクを同時に処理できるという。
このアップデートにより、Project Marinerはユーザーのブラウザで動作していた前身と比較して大幅に有用になった。私の初期レビューで述べたように、Project Marinerの初期設計では、AIエージェントが作業している間、ユーザーはデスクトップ上の他のタブやアプリを使用できなかった。これはAIエージェントの目的をある程度損なっていた。エージェントがユーザーのために作業するが、作業中はユーザーが他のことをできなかったからだ。
主要パートナー企業との連携とAgent Mode機能
今後数か月で、GoogleはユーザーがAI Mode(同社のAI駆動Google検索体験)でProject Marinerにアクセスできるようになると述べている。発表時、この機能はSearch Labs(Googleの検索機能のオプトイン・テスト環境)に限定される。GoogleはTicketmaster、StubHub(スタブハブ)、Resy(レジー)、Vagaro(バガロ)と協力して、これらのエージェント機能の一部を支えると述べている。
今日別途、Googleは「Agent Mode」と呼ばれる別のエージェント体験の初期デモを発表した。同社はこの機能がウェブブラウジングと調査機能、統合機能、そして他のGoogleアプリとを組み合わせると述べている。GoogleはUltra加入者が間もなくデスクトップでAgent Modeにアクセスできるようになると述べている。
今年のI/Oで、Googleはついに何年も語ってきたエージェント体験を出荷する意欲を示しているようだ。Project Mariner、Agent Mode、AI Modeはすべて、ユーザーがウェブをナビゲートする方法、そしてベンダーがオンラインで顧客とやり取りする方法を変える態勢を整えているようだ。ウェブブラウジングエージェントはインターネット経済に大きな影響を与えるが、Googleはこれらすべてのエージェントを世界に送り出す準備ができているようだ。
引用元:TechCrunch
Google rolls out Project Mariner, its web-browsing AI agent