OpenAI、Cursorの買収を断念し急成長中のWindsurfを選んだ理由

OpenAI

  • AIコーディングアシスタントCursorを開発するAnysphereは急成長により、OpenAIからの買収提案を拒否
  • Anysphereの年間経常収益は約3億ドルに達し、平均2ヶ月ごとに倍増している
  • OpenAIは代わりに年間経常収益約1億ドルのWindsurfに30億ドルの買収提案
  • AIコーディング市場は競争が激化し、Google GeminiやAnthropicがOpenAIのモデルを性能面で上回る状況に

Anysphereの急成長と独立性維持の決断

AIコーディングアシスタントCursorを開発するAnysphereは急成長しており、OpenAIを含む買収提案には応じる予定がないと、同社に近い情報筋が語った。同社は非常に注目を集めている。Cursorは最も人気のあるAIコーディングツールの一つであり、その収益は天文学的に増加している—平均して2ヶ月ごとに倍増しているという別の情報筋の話だ。二つの情報筋によると、Anysphereの現在の年間経常収益(ARR)は約3億ドル(約450億円)に達している。

二つの情報筋が確認したところ、同社はChatGPT開発元のOpenAIからのアプローチを受けた後、初期の買収協議から撤退した。これはCNBCも以前に報じている。また、これらの情報筋の一人によると、Anysphereは検討すらしなかった他の買収提案も受けていたという。

100億ドル評価のAnysphereとOpenAIの戦略転換

同社に近い二人の情報筋によると、Cursorが買収提案を断ったのは、独立性を維持したいという意向があるためだ。代わりに、Anysphereは約100億ドル(約1兆5,000億円)の評価額で資金調達の協議を進めていると、ブルームバーグが先月報じている。

Anysphereの獲得には失敗したものの、OpenAIは確立されたAIコーディングツールスタートアップの買収を諦めなかった。CNBCの報道によると、OpenAIは他に20社以上と協議したという。

Windsurfへの30億ドル買収提案の背景

そして先週ブルームバーグが報じたところによると、OpenAIは次に急成長しているAIコーディングスタートアップであるWindsurfに対し、30億ドル(約4,500億円)の買収提案で本格的に交渉を始めた。Windsurfは比較的小規模な会社だが、情報筋によると、同社のARRは約1億ドル(約150億円)で、2月の4,000万ドル(約60億円)から増加している。

Windsurfも開発者コミュニティで人気を集めており、そのコーディング製品はレガシーな企業システムとの連携を前提に設計されている。OpenAIも買収交渉についてのコメントを控えている。

OpenAIが直面する競争激化と成長戦略

OpenAIが買収先を探している理由として、GoogleのGeminiや中国のDeepSeekなどの競合他社が基盤モデルへのアクセスに価格圧力をかけている中、次の成長分野を模索していることが考えられる。

さらに、AnthropicとGoogleは最近、コーディングベンチマークでOpenAIのモデルを上回るAIモデルをリリースしており、開発者にとって好ましい選択肢となりつつある。

OpenAIは独自のAIコーディングアシスタントを構築することも可能だが、すでに開発者に人気のある製品を買収することで、ChatGPT開発元はこのビジネスをゼロから構築する必要がなくなる。

開発者ツールスタートアップに投資するVC(ベンチャーキャピタル)も注目している。OpenAIの戦略について推測し、SignalFireのパートナー兼CEOであるChris Farmer(クリス・ファーマー)氏は、「彼らはアプリケーション層で買収を進めるだろう。それは彼らにとって生存に関わる問題だ」と語った。

引用元:TechCrunch
Why OpenAI wanted to buy Cursor but opted for the fast-growing Windsurf

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