- OpenAIがChatGPTに学生の批判的思考力向上を目的とした「Study Mode」を火曜日より開始
- 単なる回答提供ではなく理解度を試す質問機能を搭載、直接回答を拒否する場合も
- Free、Plus、Pro、Teamプランで利用開始、Eduプランへは数週間以内に展開予定
- 2022年のChatGPT登場時の教育現場混乱から、学習ツールとしての活用へ方向転換
批判的思考力向上を重視した新機能Study Mode
OpenAIは火曜日、ChatGPT内の新機能「Study Mode」の開始を発表した。この機能は学生が単に質問への回答を得るのではなく、自身の批判的思考力を育成することを支援することを目的としている。Study Modeが有効化されている場合、ChatGPTはユーザーの理解度を試すための質問を行い、場合によっては学生が教材に取り組まない限り直接的な回答の提供を拒否する。
OpenAIによると、Study ModeはChatGPTのFree、Plus、Pro、Teamプランのログインユーザーに対し火曜日から展開されている。同社は、主に学校管理者が全学生向けにプランを購入したEdu購読者に対しても、数週間以内にStudy Modeを導入する予定である。
学校でのChatGPT利用問題への対応策
Study ModeはOpenAIが学校でChatGPTを使用する数百万人の学生に対処する試みである。研究では、ChatGPTの使用が若者にとって有用な家庭教師となり得ることが示されているが、批判的思考力に害を与える可能性もあることが分かっている。6月に発表された研究論文では、ChatGPTを使ってエッセイを書く人々は、Google検索を使用したり何も使用しなかったりする人々と比較して、そのプロセス中の脳活動が低いことが判明した。
教育現場でのAI導入の変遷
ChatGPTが2022年に初めて登場した際、学校現場での広範囲な使用は教育者の間で恐怖を引き起こし、多くの米国学区で生成AI禁止措置につながった。2023年までに、これらの学校の一部はChatGPT禁止を撤回し、全国の教師たちはChatGPTが今後若者の生活の一部になるという事実を受け入れるようになった。
Anthropicの類似機能に続く取り組み
Study Modeの開始により、OpenAIはChatGPTを単なる回答エンジンではなく学習ツールとして改善することを目指している。Anthropicは4月に、AIチャットボットClaudeに「Learning Mode」と呼ばれる類似ツールを導入している。
機能の限界と学生の自主性への依存
もちろん、Study Modeがどれほど効果的であるかには限界がある。学生は質問への回答だけが欲しい場合、簡単にChatGPTの通常モードに切り替えることができる。OpenAIの教育担当副社長Leah Belsky(リア・ベルスキー)氏はブリーフィングで、同社は保護者や管理者が学生をStudy Modeに固定するツールを提供していないと述べた。しかしBelsky氏は、OpenAIが将来的に管理者や保護者による制御機能を検討する可能性があると語った。
これは、Study Modeを使用するには献身的な学生が必要であることを意味する。子どもたちは単に課題を終わらせるのではなく、本当に学習したいと思う必要がある。
教育におけるAI活用の将来展望
OpenAIによると、Study Modeは同社がChatGPTでの学習を改善するための第一歩であり、学生が教育全体を通じて生成AIをどのように使用するかについて、今後より多くの情報を公開することを目指している。
この取り組みは、AIが教育現場で「答えを教える道具」から「考える力を育てる支援ツール」へと進化していることを示しており、今後の教育におけるAI活用の方向性を示す重要な一歩となっている。
引用元: TechCrunch OpenAI launches Study Mode in ChatGPT
https://techcrunch.com/2025/07/29/openai-launches-study-mode-in-chatgpt/