- OpenAIのCEO サム・アルトマン氏が、同社のオープンソースに対する姿勢を見直す必要性を表明。
- 中国企業DeepSeekの台頭を受け、AIにおけるリード幅の縮小を認めた。
- OpenAIは古いモデルのオープンソース化を検討。推論プロセスの公開についても前向きな姿勢を示す。
- 同社は米国立研究所とのパートナーシップを発表。核防衛研究へのAIモデル提供を含む。
オープンソース戦略の転換を示唆するOpenAI
OpenAIは1月31日、新製品発表の締めくくりとして、CEOのSam Altman(サム・アルトマン)氏を含む研究者やエンジニア、経営陣がRedditでAMAセッションを実施した。同社は現在、中国企業DeepSeekとの知的財産権を巡る問題や、巨額の資金調達計画、データセンタープロジェクトの推進など、複数の課題に直面している。
Altman氏は、DeepSeekによって同社のAI分野におけるリードが縮小していることを認めた上で、これまでのオープンソースに対する姿勢が「歴史の間違った側」にあったとの見解を示した。同社のChief Product OfficerであるKevin Weil(ケビン・ウェイル)氏は、最先端ではなくなった古いモデルのオープンソース化を検討していることも明らかにした。
推論モデルの透明性向上へ
DeepSeekの影響は、OpenAIの推論モデルの公開方針にも及んでいる。現在、OpenAIのモデルは推論プロセスを隠蔽しているが、これはライバル企業による学習データの収集を防ぐための戦略だ。一方、DeepSeekの推論モデルR1は、思考プロセスを完全に公開している。Weil氏は、モデルの思考プロセスの公開を「非常に近い将来」に実施する予定であることを示唆した。
ChatGPTの価格設定と将来の展望
Altman氏とWeil氏は、ChatGPTの価格引き上げに関する噂を否定。むしろAltman氏は、可能であれば料金を「より安価に」したいとの意向を示した。現在、最上位プランのChatGPT Proは月額200ドル(約30,000円)で提供されているが、同社はこのプランで損失を出していることを以前から認めている。
米国政府との協力関係
OpenAIは今週、米国立研究所とのパートナーシップを発表。核防衛研究を含むプロジェクトにAIモデルを提供することになった。Weil氏は、研究所の科学者たちがAIの専門家でもあり、モデルの能力と限界を十分に理解していることから、その利用に関して信頼を示した。
今後の製品開発計画
次期推論モデル「o3」の リリース時期について、Altman氏は「数週間以上、数ヶ月以内」との見通しを示した。一方、次世代フラッグシップモデル「GPT-5」の公開時期については「まだタイムラインが決まっていない」とした。画像生成モデルDALL-E 3の後継についても開発中であることが確認された。
引用元:TechCrunch
Sam Altman: OpenAI has been on the ‘wrong side of history’ concerning open source