OpenAIが米国防総省から2億ドル契約獲得、盟友Microsoftとの関係に波紋

Microsoft OpenAI

  • OpenAIが米国防総省から最大2億ドル(約300億円)の契約を獲得、行政業務等でAI活用
  • 「OpenAI for Government」プログラム開始、政府機関への直接販売を拡大
  • MicrosoftのAzure OpenAIサービスとの競合激化、投資家関係に亀裂
  • Marc Andreessen氏が中国とのAI競争を「冷戦」と表現、安全保障上の重要性増大

OpenAI、米国防総省から2億ドル契約を獲得

OpenAIは月曜日、米国防総省が同社に対し、フロンティアモデルを行政業務等に活用するプロトタイプシステムの特定と構築を支援するため、最大2億ドル(約300億円)の契約を付与したと発表した。

OpenAIは可能なタスクの例として、軍人の医療アクセス支援、様々なプログラムのデータ合理化、「積極的サイバー防御の支援」などを挙げている。同社はまた「すべての使用例はOpenAIの使用ポリシーとガイドラインに合致しなければならない」と述べた。

国防総省の戦闘能力開発への言及と軍事利用の境界線

国防総省の発表では、より分かりやすい表現が使用された。「この契約の下で、実行者は戦闘と企業ドメインの両方における重要な国家安全保障上の課題を解決するため、プロトタイプフロンティアAI能力を開発する」と述べている。

戦闘への言及が兵器そのものに適用されるのか、書類業務のような戦争に関連する他の分野に限定されるのかは今後明らかになる。OpenAIのガイドラインでは、個人ユーザーがChatGPTやそのAPIを兵器の開発や使用に利用することを禁じている。しかし、OpenAIは2024年1月にサービス規約から「軍事・戦争」の明示的禁止事項を削除した。

Marc Andreessen氏が語る米中AI冷戦の現実

シリコンバレーの有力者の一部が中国の先進LLMモデルの危険性について強く警告していることを考えると、国防総省がOpenAIを望む目的で使用したがるのは驚くことではない。例えば、OpenAIの投資家であるVC会社Andreessen HorowitzのMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏は最近、Jack Altman(ジャック・アルトマン)氏の「Uncapped」ポッドキャスト(JackはSam Altman(サム・アルトマン)氏の兄弟)に出演した。Andreessen氏は中国のAIと西側世界のモデル間の競争を「冷戦」と表現した。

「OpenAI for Government」プログラムの政府機関展開

それでも、この発表の同様に興味深い部分は、主要投資家Microsoftとの関係がますます緊張していることについて語っていることかもしれない。

OpenAIはこの契約を、同社によると米国立研究所、空軍研究所、NASA、NIH、財務省を含む政府機関に直接商品を販売するために使用する他の複数のプログラムを統合した、より広範な新しい「OpenAI for Government」プログラムの一部として発表した。

MicrosoftのAzure OpenAIサービスとの競合激化

Microsoftは連邦政府との数億ドル相当の数千の契約を持っている。同社は数十年にわたり、特に国防総省を含む政府がそのクラウドを使用するために必要な厳格なセキュリティプロトコルを実装してきた。

しかし、Microsoftが国防総省がすべての機密レベルでAzure OpenAIサービスを承認したと発表したのは4月のことだった。今では国防総省も直接的にソースに向かっている。Microsoftの観点から見ると、痛手だ。

引用元: TechCrunch
OpenAI’s $200M DoD contract could squeeze frenemy Microsoft

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