- Netflixがアルゼンチン番組「El Eternauta」で初のGenAI最終映像を使用
- AI活用により視覚効果制作時間を10分の1に短縮、コストも削減
- 第2四半期売上高110.8億ドル、前年同期比16%増を記録
- 2025年上半期でユーザー視聴時間950億時間超え、非英語コンテンツが3分の1占める
Netflix、「El Eternauta」でGenAI初採用
動画AIモデルやツールを開発する企業は、特定のワークフローを実現するためにハリウッドスタジオとの連携についてよく語っている。木曜日、Netflixは制作する映画や番組でAIの使用を開始したと発表した。
同社の決算発表後のカンファレンスコールで、共同CEOのTed Sarandos(テッド・サランドス)氏は、アルゼンチンの番組「El Eternauta」で「スクリーンに登場する初のGenAI最終映像」を使用したと語った。同氏は、Netflixの内部制作グループがプロデューサーと連携し、AIを使用して建物が崩壊するシーンを作成したと説明した。
Sarandos氏は、AIを使用することで、従来の視覚効果ツールを使用した場合の10倍の速度でシーンが完成し、コストも削減されたと述べた。
Ted Sarandos氏、AI活用で制作効率向上を強調
「我々は、AIがクリエイターがより良い映画やシリーズを制作するのを支援する素晴らしい機会であり、単に安価にするだけでなく、より良いものにすると確信している。AI搭載クリエイターツールがある。つまり、これは実際の人々がより良いツールを使って実際の仕事をしているということだ。我々のクリエイターは既に、プリビジュアライゼーションやショットプランニング作業、そして確実に視覚効果を通じて制作における利点を実感している。以前は、大予算プロジェクトだけが若返りなどの高度な視覚効果にアクセスできた」と、同氏は通話中に述べた。
共同CEOのGreg Peters(グレッグ・ピーターズ)氏は、Netflixがパーソナライゼーション、検索、広告を含む他の分野でもGenAIを使用しており、同社は今年後半にインタラクティブ広告の展開を目指していると語った。今年初め、同社はAI搭載検索機能を展開した。
Netflix第2四半期業績、売上高110.8億ドル達成
第2四半期において、Netflixは売上高110.8億ドル(約1兆5,955億円)を報告し、前年同期比16%増となった。利益は31.3億ドル(約4,507億円)を記録した。同社は、ユーザーが2025年上半期に950億時間を超えるコンテンツを視聴し、非英語タイトルが全視聴数の3分の1を占めたと述べた。
AI活用範囲拡大、制作コスト削減効果
Netflixのこの発表は、エンターテインメント業界におけるAI活用の重要な転換点を示している。従来、高予算プロジェクトでのみ可能だった高度な視覚効果技術が、AIの導入により幅広い制作に利用可能になったことを意味する。
特に「El Eternauta」での建物崩壊シーンの制作事例は、AI技術がハリウッドの制作ワークフローに与える具体的な影響を示している。制作時間の大幅な短縮とコスト削減は、今後の映像制作業界全体に波及効果をもたらすと予想される。
Netflix、AI技術でコンテンツ制作革命を推進
Netflixの積極的なAI導入は、同社が技術革新を通じてコンテンツ制作の質と効率を向上させる戦略の一環である。プリビジュアライゼーションやショットプランニングなどの制作前段階から、最終的な視覚効果まで、AI技術の統合により制作プロセス全体が最適化されている。
この取り組みは、Netflixが単なるストリーミングプラットフォームから、AI技術を駆使した次世代エンターテインメント企業への転換を図っていることを示している。インタラクティブ広告の展開予定も含め、同社のAI活用は今後さらに拡大すると見込まれる。
引用元: TechCrunch – Netflix starts using GenAI in its shows and films
https://techcrunch.com/2025/07/18/netflix-starts-using-genai-in-its-shows-and-films/