Meta、AIトレーニングの書籍ライセンス交渉を一時停止。訴訟文書で明らかに

Mark Zuckerberg Meta

  • Metaが書籍出版社とのAIトレーニングデータライセンス交渉を一時停止していたことが裁判文書で判明した。
  • 同社の担当者は、出版社側の反応の鈍さや権利関係の複雑さを理由に挙げている。
  • 著作権侵害訴訟の原告側は、Metaが海賊版書籍を利用してAIモデルを訓練した可能性を指摘している。

Metaの書籍ライセンス交渉の実態

AIの著作権訴訟「Kadrey v. Meta Platforms」の新たな裁判文書により、同社が出版社との書籍ライセンス交渉を「一時停止」していたとする先の報道の信憑性が高まった。この訴訟は、AI企業と著作権者の対立を象徴する多くの訴訟の一つである。AI企業側は著作権コンテンツの学習を「フェアユース」と主張する一方、著作権者側はこれに強く反発している。

交渉中断の経緯と理由

金曜日に提出された文書には、原告側弁護士によるMeta従業員の証言録取の一部が含まれている。同社のAIパートナーシップ責任者Sy Choudhury(サイ・チョウドリー)氏は、出版社への働きかけが「非常に緩慢な反応と関心」しか得られなかったと証言した。「インターネットで主要出版社を徹底的に調査し、長いリストを作成したが、コールドコールによる接触の試みの多くから返答や反応を得られなかった」と述べている。

ライセンス交渉の具体的な障壁

裁判記録によると、Metaは2023年4月初めに「タイミング」などの物流的な問題に直面し、特定の書籍ライセンス交渉を一時停止した。チョウドリー氏は特にフィクション書籍の出版社について、「ビジネス開発チームから、多くの出版社が実際にはデータをライセンスする権利を持っていないことが判明した」と証言している。「すべての著者との交渉には長時間を要する」との見解も示された。

著作権侵害の疑惑

Sarah Silverman(サラ・シルバーマン)氏やTa-Nehisi Coates(タネハシ・コーツ)氏を含むベストセラー作家らによる最新の修正訴状では、Metaがライセンス契約の判断材料として、海賊版書籍と著作権のある書籍を照合した疑いがあると主張している。また、同社が人気の「Llama」シリーズを含む複数のAIモデルの訓練に、海賊版電子書籍を含む「シャドーライブラリー」を使用した可能性も指摘している。訴状によると、Metaはトレントを通じてこれらのライブラリを入手した可能性があり、原告側はトレントによるファイルの「シード」(アップロード)行為自体が著作権侵害に当たると主張している。

引用元:TechCrunch
Court filings show Meta paused efforts to license books for AI training

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