AI面接に就活生の64%が不安を感じる:評価基準の不透明さと人間味の欠如が主な理由

AI Robot

  • 就活情報サイト「就活の教科書」を運営するSynergy Careerの調査によると、就活生の約3分の2(64%)がAI面接に不安を感じている。
  • 主な不安要素は「評価基準がわからない」「人間味がない」といった点に集中しており、66.5%の就活生がAI面接よりも人間の面接官を好むと回答した。
  • AI面接の経験者は約5人に1人(21.5%)にとどまるものの、6割以上がその存在を知っており、導入企業への印象は「良くも悪くもない」という回答が多数を占めた。

就職活動におけるAI面接の導入が進む中、就活生がAI面接をどのように受け止めているかについて、Synergy Careerが就活生200人(男性66人、女性134人)を対象にアンケート調査を実施した(調査期間:2025年5月19日〜5月20日)。この調査により、AI面接に対する就活生の複雑な感情が明らかになった。

AI面接の現状と就活生の認知度

調査結果によると、就活でAI面接を受けたことがあると回答した就活生は21.5%と、約5人に1人にとどまっており、AI面接がまだ就職活動全体に広く浸透しているわけではないことが示された。しかし、「聞いたことがあるが受けたことはない」と回答した43%を含めると、6割以上の就活生がAI面接の存在を知っていることが分かり、「AI面接」という言葉自体の認知度は高いといえる。

就活生が抱くAI面接への不安と好みの面接形式

AI面接に対して「不安を感じる」と回答した就活生は、「とても不安に感じる」(39人)と「やや不安に感じる」(89人)を合わせると、全体の64%に上った。一方で、「全く不安ではない」と答えた就活生はわずか3%(6人)に留まっており、AI面接に対する安心感や信頼感が広く得られるには時間を要する状況だ。面接のスタイルについては、66.5%の就活生が「人間の面接官が良い」と回答したのに対し、「AI面接が良い」と答えたのは14%に留まり、就活生は人との対面での面接を強く望んでいる傾向が見られた。

AI面接に対するポジティブ・ネガティブな印象

AI面接に対するネガティブな印象(複数回答)としては、以下の点が挙げられた。

  • 「評価基準がわからない」(94人)
  • 「人間味がない」(92人)
  • 「コミュニケーション能力がアピールしにくい」(68人)

これらの回答は、AI面接の無機質な印象が就活生の不安や不信感につながっている可能性を示唆している。

一方、ポジティブな印象(複数回答)としては、以下のような点が挙がった。

  • 「先進的である」(55人/55%)
  • 「落ち着いて話せる」(54人/54%)
  • 「対人ではないので緊張しない」(53人/53%)
  • 「公平である」(52人/52%)

しかし、全体としてはネガティブなイメージへの回答が386件であったのに対し、ポジティブなイメージへの回答は318件と少なく、ネガティブな側面が強く認識されていることがうかがえる。

企業に対する印象と今後の展望

AI面接を導入している企業に対する就活生の印象については、「どちらでもない」と回答した人が89人で最も多く、企業についての印象は良くも悪くもないという結果となった。これは、AI面接の導入自体が企業のイメージを大きく損なうものではないと考えられる。総じて、今回の調査から、AI面接は就活生にとってまだ信頼や安心感が十分に確立されておらず、「納得感」や「共感」といった人間らしい価値観との間で、いかに折り合いをつけていくかが今後の課題となるだろう。

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