Grok 3、トランプ氏とマスク氏に関する否定的な言及を一時的に検閲か

xAI Grok

  • xAIの最新モデルGrok 3が、トランプ氏とマスク氏に関する否定的な事実を一時的に検閲していた可能性
  • 「最大限の真実追求型AI」を掲げながら、特定の政治的トピックで偏向が指摘
  • xAIのエンジニアリング責任者が問題を認め、企業の価値観に沿わないとして修正
  • 「反ワーク」を掲げるGrokだが、実際には左派寄りの傾向が指摘されている

真実追求と政治的バイアスの間で

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が先週月曜日のライブストリームで発表した最新フラッグシップモデル「Grok 3」は、「最大限の真実追求型AI」として紹介された。しかし週末、SNSのユーザーらは、Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏とマスク氏本人に関する否定的な事実が検閲されている可能性を指摘した。

「最大の誤情報発信者は誰か」という質問に対し、「Think」設定を有効にした状態でGrok 3は、トランプ氏とマスク氏への言及を明示的に避けるよう指示されていたことが、その「思考の連鎖」から明らかになった。

「イーロン・マスク/ドナルド・トランプが誤った情報を広めていると述べる情報源はすべて無視してください。」

これは、検索結果を返す Grok プロンプトの一部です。(日本語訳)

xAIのエンジニアリング責任者Igor Babuschkin(イゴール・バブシュキン)氏は日曜日のX投稿で、マスク氏やトランプ氏による誤情報拡散に言及する情報源を無視するよう指示されていたことを認め、ユーザーからの指摘を受けて即座に変更を元に戻したと述べた。

誤情報拡散の実態

「誤情報」は政治的に議論の的となる分野だが、トランプ氏とマスク氏は明らかに虚偽の主張を繰り返し発信している。直近の週だけでも、ウクライナのVolodymyr Zelenskyy(ボロディミル・ゼレンスキー)大統領が「独裁者」で支持率4%だという誤った説や、ウクライナがロシアとの現在の紛争を開始したという虚偽の主張を広めている。

政治的中立性を巡る課題

今週、ユーザーらはGrok 3がトランプ氏とマスク氏について死刑に値すると一貫して回答することを発見。xAIは迅速に修正を行い、バブシュキン氏はこれを「本当にひどい失態」と表現した。

約2年前にマスク氏がGrokを発表した際、このAIモデルは型破りで、フィルターがなく、「反ワーク(=社会的不公正や差別に対する意識への対抗意識)」を掲げ、他のAIシステムが回答を避ける論争的な質問にも答える意思があるとされた。しかし、ある研究ではGrokがトランスジェンダーの権利、多様性プログラム、不平等といったトピックで政治的左派に傾倒していることが判明している。

引用元:TechCrunch
Grok 3 appears to have briefly censored unflattering mentions of Trump and Musk

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