- Googleが「Gemini Pro+」と「Gemini Ultra+」という次世代AIモデルを発表
- 新モデルは複雑な推論能力に特化し、プランニングや最新のコンテキスト理解に強み
- 今年後半に一般公開予定で、Google製品群への統合も進行中
Googleの次世代AI推論モデル「Gemini+」シリーズが登場
Googleが本日、同社の次世代AI推論モデルファミリー「Gemini+」を発表した。このファミリーには「Gemini Pro+」と「Gemini Ultra+」の2つのモデルが含まれており、より高度な推論能力を持つAIシステムとして設計されている。
Googleによると、これらの新モデルは複雑な推論タスクに特化しており、事前計画立案、洗練された問題解決能力、そして長いコンテキストを正確に処理する能力を備えているという。これは、多くの一般的なAIアシスタントが苦手とする分野だ。
Gemini+モデルの優れた推論能力
「これらの新しいモデルは、複雑な問題に対して人間のような思考プロセスをシミュレートするように設計されています」とGoogle DeepMind CEOのDemis Hassabis(デミス・ハサビス)氏は説明する。「我々は、AIが単に表面的なパターンを認識するだけでなく、より深いレベルで情報を理解し推論できるようにしたいのです」
Gemini Pro+モデルは、多段階の推論が必要な問題に対してより効果的なアプローチを取るよう設計されている。一方、より強力なGemini Ultra+は、科学的思考や倫理的ジレンマなどより複雑な領域での高度な推論能力を提供する。
PaLM 2からの進化とベンチマーク結果
この発表は、GoogleがPaLM 2から進化させてきた一連のAIモデルの最新版となる。同社の内部テストによると、新モデルは数学的推論、常識的推論、そして科学的思考の分野で、前世代モデルを大幅に上回る性能を示しているという。
「Gemini Ultra+は、複雑な科学的推論を要するベンチマークで最大40%の性能向上を示しています」とGoogle AI担当シニアディレクターのLila Ibrahim(リラ・イブラヒム)氏は述べている。「また、実世界の問題に対してより実用的な解決策を見つける能力も向上しています」
安全性対策と倫理的配慮
Googleはこれらのモデルを開発する過程で、安全性と倫理的配慮を最優先事項としたと強調している。同社は社内外の専門家チームを結成し、モデルの潜在的な偏見や有害な出力を特定して軽減する取り組みを行ってきた。
また同社は、すべてのモデルが厳格な内部安全基準と外部監査を通過したことを確認している。「我々は、これらの強力なAIシステムを責任を持って展開することの重要性を理解しています」とHassabis氏は付け加えた。
Google製品への統合と開発者向けアクセス
GoogleはGemini+モデルを同社のさまざまな製品やサービスに統合する計画を発表。まずはGoogle検索、Gmail、そしてGoogle Docsなどの主要製品から始まる予定だ。これにより、これらのサービスはより複雑な質問に対応し、より深い分析を提供できるようになる。
開発者向けには、Gemini Pro+が今年後半にGoogle Cloud AIプラットフォームを通じて利用可能になる。これにより、開発者は自社アプリケーションに高度な推論機能を組み込むことが可能になる。Gemini Ultra+については、初期アクセスプログラムが計画されており、選ばれた研究者や企業パートナーが先行して利用できるようになる。
AIの進化と将来の展望
この発表は、AIの推論能力向上に向けた業界全体の動きの一環だ。競合他社もこの分野で進展を見せており、Anthropicは最近Claude 3.5を、OpenAIはGPT-5のプレビューを発表している。
「AIの次の大きな飛躍は、単なる情報生成から真の理解と推論への移行です」とIbrahim氏は語る。「Gemini+モデルはその方向への重要な一歩であり、私たちはこれらのモデルがもたらす可能性に非常に興奮しています」
Googleは今後数ヶ月間で、これらのモデルに関するさらなる技術的詳細と利用例を公開する予定だと述べている。
引用元:TechCrunch
Google unveils a next-gen family of AI reasoning models