Google、「Google税」撤廃後にAI駆動マーケティングツールをインドに展開

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  • Googleが「Google税」撤廃を受けて、5月に米国で発表したAI駆動広告ツール群をインドに展開
  • インド政府が3月にデジタル広告税6%を撤廃、4月から施行でテック企業の参入コストが軽減
  • 「Generated for You」やSmart Bidding Explorationなど複数のAI機能を現地マーケター向けに提供開始
  • インドのデジタル広告市場は2025年末までに約70億ドル(約1兆円)規模に成長予測

Google、インド市場でAI広告ツールを本格展開

Googleは7月9日、5月に米国で発表したAI駆動広告ツール群をインドに展開したと発表した。この展開は、インド政府による「Google税」の撤廃により、南アジア市場がグローバルテック企業にとってより魅力的になったことを背景としている。

3月にインド政府はデジタル広告に対する6%の課税を廃止し、4月から施行した。この措置はTrump(トランプ)政権が提起した貿易懸念に対処するためのものだった。

米国通商代表部の批判を受けた税制撤廃

米国通商代表部は、この課税について国内企業が免除されていることから「差別的で不合理」だと批判していた。税制撤廃により、Google、Meta、Amazonを含むテック大手企業のコスト負担が軽減されることになる。

木曜日、Googleは現地版のMarketing Liveイベントを開催し、インドのマーケター向けにAI駆動ツールを発表した。

Product Studio内「Generated for You」機能を投入

主要ツールの一つである「Generated for You」は、Product Studio内で利用可能で、ショッピングカタログ全体の関連コンテンツ機会を特定し、マーチャントがGoogleプラットフォーム全体で保存・公開できる画像や動画をAIで事前生成する。

もう一つのツールは、検索キャンペーンでのSmart Bidding Explorationというオプトイン機能で、既存のSmart Biddingをベースとし、AIを使用してマーチャントが通常は獲得や入札を行わない新しい適格リードを発見する。

Google AdsとAnalyticsにエージェント機能を追加

さらに、GoogleはGoogle AdsとAnalyticsに新しいエージェント機能を導入した。「これらのエージェントツールは、データセット、ランディングページ、アセット、リアルタイムキャンペーンパフォーマンスを含む広告入力から学習し、ビジネス目標達成の推測作業を不要にする」と、GoogleのGlobal Ads担当副社長Dan Taylor(ダン・テイラー)氏がバーチャルメディアラウンドテーブルで述べた。

GoogleはAI Max for Search Campaignsを展開し、ブランドのランディングページ、既存広告、既存キーワードリストから学習することで、より関連性が高く高パフォーマンスの検索クエリを特定し、検索広告キャンペーンのパフォーマンス向上を目指している。

Cashify、コンバージョン率15%向上を達成

中古電子機器のインドオンラインマーケットプレイスCashifyは、早期テスト段階でAI Maxを導入した結果、コンバージョン率が15%向上し、顧客獲得コストが12%削減されたとGoogleが発表した。

Googleはまた、今年後半にインドでAI Overviewsに広告が表示開始されると発表した。

YouTubeのショッピング対応コネクテッドTV広告を開始

加えて、同社はインドでYouTubeのショッピング対応コネクテッドTV広告を導入した。YouTubeのモバイル版マストヘッドも同国での広告配信を開始する。

「コネクテッドTV上のYouTubeは、過去1年間でインドのテレビで最も視聴されたストリーミングサービスとなっている」と、Google IndiaのDigital Native Industries担当マネージングディレクターRoma Datta Chobey(ローマ・ダッタ・チョベイ)氏が述べた。

同様に、インドはYouTube Shortsにとって重要な市場であり、プラットフォーム上のショート動画は開始以来数兆回視聴されている。インド消費者の87%が、ショッピングジャーニーの一部としてYouTubeやShortsを視聴しているとChobey氏は述べた。

インドのデジタル広告市場、70億ドル規模に成長予測

世界第2位のインターネット市場であるインドでは、より多くのユーザーがオンライン化を進める中、デジタル広告の存在感が高まっている。最新のDentsu Digital Advertising報告書によると、同国のデジタル広告市場は前年比20%以上の成長が見込まれ、2025年末までに約70億ドル(約1兆円)に達すると予測されている。

「インドは非常に活発なデジタルエコシステムだ。我々の製品を積極的に試用・テストしているユーザーが最も多い。これが我々がこれらの革新をインドにより早く導入する理由だ」とChobey氏は、新しいAI広告ツールのタイミングに関する質問に答えた。

Hindi対応と州レベルフィルター機能を追加

Googleは、AI Max for Search Campaigns、Smart Bidding Exploration、YouTubeのショッピング対応マストヘッドとCTV、Performance Max Retention-Only Modeを含む新機能がHindiに対応し、現地キャンペーンの互換性を向上させると確認した。さらに、インドの広告主により細かなメディア計画、購入、レポート作成を可能にするため、州レベルの都市部・農村部オーディエンスフィルターを導入した。

インドは長年にわたりGoogleにとって重要な市場であり、同社最大のユーザーベースを擁するだけでなく、広告収入の安定成長も続いている。2024年度、Googleのインドでの総広告収入は前年比11%増の3,122億1,000万ルピー(36億ドル、約5,040億円)に達し、純広告収入は18%増の274億3,000万ルピー(3億2,000万ドル、約448億円)となった。

引用元: TechCrunch
Google brings its AI-powered marketing tools to India after ‘Google tax’ repeal

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