- 人工知能(AI)向けクラウドサービスを提供する米コアウィーブが、OpenAIと最大40億ドル(約5800億円)規模の追加契約を締結した。
- この契約により、コアウィーブはOpenAIにクラウドコンピューティング容量を追加提供し、両社の関係がさらに強化される見込みだ。
- OpenAIは契約金額を2029年にかけて支払う予定で、コアウィーブにとって主要顧客であるマイクロソフトへの依存度を低下させる可能性がある。
- コアウィーブは最近IPOを行い、株価は大きく上昇しているが、AI投資計画前倒しによる利益影響も報じられている。
コアウィーブ、OpenAIと巨額の追加契約
人工知能(AI)向けクラウドサービスを展開する米コアウィーブが、対話型AI「ChatGPT」を手掛ける米OpenAIと、最大40億ドル(約5800億円)規模の追加契約を締結したことが明らかになった。これは、OpenAIに対し追加のクラウドコンピューティング容量を提供するもので、両社の関係を一層強化するものとなる。
契約詳細とコアウィーブの開示
5月15日の発表資料によると、OpenAIはこの契約金額を2029年にかけて支払う予定である。コアウィーブは前日の14日の決算説明会ですでに40億ドル規模の契約に言及していたが、当時は相手先を「企業向けAI事業者」と述べるに留まり、社名は伏せられていた。その翌日にOpenAIとの契約であることが正式に発表された形だ。
コアウィーブは今年3月に新規株式公開(IPO)を実施して以来、株価は60%超上昇するなど市場の注目を集めている。ただし、AI投資計画の前倒しが利益に影響するとの見通しから、株価が急落したことも報じられている。
関係強化とマイクロソフトへの依存度
今回の40億ドル規模の契約は、コアウィーブがIPOを控えた段階でOpenAIと締結した約120億ドル規模の5年契約に追加されるものだ。この一連の契約により、OpenAIはコアウィーブに対し相当な出資を行っているとブルームバーグ・ニュースは以前報じていた。
OpenAIとの関係強化は、コアウィーブにとって主要顧客の一つであるマイクロソフトへの依存度を低下させる可能性を持つ。米証券取引委員会(SEC)への提出資料によれば、2024年においてマイクロソフトはコアウィーブの売上高全体のほぼ3分の2を占める上位二社のうちの一社であったという。
AI開発競争が激化し、高性能なクラウドコンピューティングリソースへの需要が高まる中、コアウィーブとOpenAIの大型契約は、AIインフラ市場の活況と、AI開発企業が複数のクラウドプロバイダーと関係を構築している現状を示すものと言える。
引用元:Bloomberg
米コアウィーブ、オープンAIと40億ドル規模の契約締結-関係強化へ