CognitionがAIコーディングスタートアップWindsurfを買収、DevinとIDE統合で競争力強化

Windsurf

  • AIコーディングエージェントDevinの開発元Cognitionが、AIコーディングスタートアップWindsurfの買収を発表
  • GoogleによるWindsurf主要メンバーの24億ドル(約3,600億円)でのリバースアクハイアに続く動き
  • WindsurfのARRは8,200万ドル(約123億円)に達し、35万社の企業顧客を獲得
  • CognitionはAIエージェントとAI統合開発環境の両方を提供する体制を構築

CognitionによるWindsurf買収の背景

AIコーディングエージェントDevinの開発で注目を集めるスタートアップCognitionは7月14日、AIコーディングスタートアップWindsurfの買収に関する確定的合意を締結したと発表した。この発表は、GoogleがWindsurfのCEOであるVarun Mohan(バルン・モハン)氏、共同創設者のDouglas Chen(ダグラス・チェン)氏、研究リーダーらを24億ドル(約3,600億円)でリバースアクハイアしたわずか数日後のことである。

Googleの取引は、OpenAIによる30億ドル(約4,500億円)でのWindsurf買収提案が期限切れとなった数時間後に成立し、250人規模のスタートアップチームの大部分を置き去りにした。この一連の動きは、AIコーディングツール開発競争の新たなピークを示している。

AI統合開発環境市場の急成長

CursorとWindsurfが提供するAI統合開発環境(IDE)分野では、近年ビジネスが急成長している。Cursorの年間経常収益(ARR)は5億ドル(約750億円)に達し、Windsurfもこの1年間で印象的な成長を遂げ、複数の大手企業からの関心を集めた。

数日前にGoogleがスタートアップの主要メンバーを引き抜いた後、暫定CEOに就任したWindsurfの元事業責任者Jeff Wang(ジェフ・ワン)氏は、LinkedInの投稿で「過去72時間は私のキャリアで最もワイルドなジェットコースターだった」と述べた。

Windsurf買収の詳細と業績

Cognitionは買収価格を明かしていないが、WindsurfがARR8,200万ドル(約123億円)に達し、企業向けARRが四半期ごとに倍増していると発表した。Windsurfのユーザーベースは少なくとも350社の企業顧客と「数十万人」の日次アクティブユーザーに達している。

TechCrunchが4月に報じたところによると、WindsurfのARRは一時期1億ドル(約150億円)に達していた。しかし、コーディング作業で人気の高いAIモデルを提供するAnthropicが6月にWindsurfのClaude AIモデルへの直接アクセスを遮断した。Anthropicの共同創設者Jared Kaplan(ジャレッド・カプラン)氏は、この決定を最大の競合であるOpenAIがWindsurfの買収に近づいているという噂によるものだと説明した。

従業員への配慮と統合計画

The Informationが週末に報じたところによると、昨年入社したWindsurf従業員はGoogleの数十億ドル規模のリバースアクハイアで配当を受けられなかった。これにより、主に投資家とスタートアップの幹部が利益を得る取引に対して、ソーシャルメディア上で多くのユーザーが批判的な反応を示した。

Cognitionはブログ投稿で、Windsurf従業員の100%がこの取引に財政的に参加し、これまでの作業に対するベスティングクリフが免除されると述べた。短期的には、WindsurfチームはAI統合開発環境の開発を継続し、CognitionはAIコーディングエージェントDevinの作業を続ける。最終的に、CognitionはWindsurfの知的財産と機能を自社製品に統合する予定だ。

AIコーディング分野での競争激化

Cognitionは3月に40億ドル(約6,000億円)の評価額で数億ドルの資金調達について協議を行ったと報じられている。ラウンドが完了したかは不明だが、AIコーディング分野で競争するためにはそのような資金力が必要かもしれない。

Cognitionは完全なAIコーディングエージェントDevinを最初にローンチしたAIスタートアップの一つで、単なるタスク支援ではなく、ジュニアソフトウェアエンジニアのように完全に自動化することを約束した。これは開発者がAIツールに簡単にアクセスできる環境を提供するCursorやWindsurfと比較して、著しく大胆なアプローチだった。

しかし、初期のレビューではDevinがミスを犯すことが判明し、AIエージェント技術が時代に先んじていることを示唆していた。近年、CursorとWindsurfはCognitionが提供するものに似たより積極的なAI製品を提供し始めている。

Goldman Sachsとの大型契約獲得

最近のインタビューで、CursorのCEOであるMichael Truell(マイケル・トルーエル)氏は、AIの推論モデルがコーディングエージェントを実現可能にするほど進歩していると述べ、2026年までにコーディングワークフローの20%がエージェントによって処理されると予想すると語った。

現在、CognitionはAIコーディングエージェントとAI統合開発環境の両方を提供する多様性を持ち、価値提案を向上させている。今週初めには、Cognitionはウォール街の巨人Goldman Sachsという大口顧客も獲得した。

Windsurfの買収により、CognitionはAIコーディング分野でより深刻な競合他社となったようだ。OpenAI、Anthropic、Cursorなどの巨人との競争において、WindsurfのタレントとIPの追加により、Cognitionは強化されたスタートアップとなる可能性がある。

引用元:TechCrunch
Cognition, maker of the AI coding agent Devin, acquires Windsurf

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