- AnthropicがシリーズFラウンドで130億ドル(約1兆9,000億円)を調達、企業価値は1,830億ドル(約26兆7,000億円)に到達
- IconiqがFidelity Management & Research CompanyおよびLightspeed Venture Partnersと共に投資ラウンドを主導
- 年間経常収益が2025年内に10億ドルから50億ドルへと5倍に急成長
- Claude Codeが5億ドルのランレート収益を生成、過去3ヶ月で使用量が10倍以上増加
AI業界最大級の資金調達ラウンドが実現
AI企業のAnthropicは9月2日、シリーズFラウンドで130億ドル(約1兆9,000億円)を調達し、投資後企業価値が1,830億ドル(約26兆7,000億円)に達したと発表した。同社は調達資金を企業導入の拡大、安全性研究の深化、国際展開の支援に使用すると述べている。
同社のブログ投稿によると、IconiqがFidelity Management & Research CompanyおよびLightspeed Venture Partnersと共に今回のラウンドを共同主導した。その他の投資家には、Altimeter、Baillie Gifford、BlackRock、Blackstone、Coatue、D1 Capital Partners、Insight Partners、オンタリオ州教職員年金基金、カタール投資庁など、機関投資家、VC、政府系ファンド、プライベートエクイティ、資産運用会社が名を連ねている。
Krishna Rao CFOが驚異的成長を強調
「顧客ベース全体で指数関数的な需要の伸びを目にしている」とAnthropic CFOのKrishna Rao(クリシュナ・ラオ)氏は投稿で述べた。「この資金調達は、我々の財務業績と、前例のない成長を継続して推進するための投資家との強固な協力関係に対する投資家の並外れた信頼を示している」
Anthropicは2025年3月に35億ドル(約5,100億円)を投資後企業価値615億ドル(約9兆円)で調達していた。
当初予想を上回る調達規模を実現
今回の資金調達は、Anthropicが1,700億ドル(約24兆8,000億円)の企業価値で30億ドルから50億ドル(約4,400億円から7,300億円)の資金調達に近づいているという報道を受けて実現した。これは、2025年中にAPI利用の加速と企業導入により年間経常収益が10億ドル(約1,460億円)から50億ドル(約7,300億円)に跳ね上がったというAIスタートアップの目覚ましい成長に続くものである。
30万社を超える企業顧客を獲得、大口顧客は7倍増
「Anthropicは現在30万社を超える企業顧客にサービスを提供しており、それぞれ10万ドル(約1,460万円)を超えるランレート収益を代表する大口顧客数は、過去1年間で7倍近く成長した」と同社はブログ投稿で述べている。
Claude Codeも開発者の間で人気が高く、Anthropicの成長の主要な推進力の一つとなっている。同社は、この「バイブコーディング」製品がすでに5億ドル(約730億円)を超えるランレート収益を生み出しており、過去3ヶ月で使用量が10倍以上成長していると述べた。
競争激化で資金需要が拡大、OpenAIやCursorとの競争
しかし、この成長を維持し、OpenAI、Cursorなどの競合他社と競争するにはより多くの資金が必要であると、CEO のDario Amodei(ダリオ・アモデイ)氏がWiredが報じたメモで最近認めている。同氏は独裁政府の政府系ファンドから資金を受け取ることについて「興奮していない」が、投資から「悪い人々」を排除してビジネスを運営することは困難だと述べた。
BlackRockからカタール投資庁まで多様な投資家構成
今回の投資ラウンドには、BlackRockやBlackstoneなどの大手資産運用会社から、カタール投資庁などの中東の政府系ファンドまで、幅広い投資家が参加している。これは、AI分野における巨額資金需要と、投資家の強い関心を反映している。
AI業界の競争激化と巨額投資の必要性
Anthropicの今回の資金調達は、生成AI分野における競争の激化と、最先端のAIモデル開発に必要な巨額の計算資源投資を反映している。同社は企業向けAI市場でOpenAIなどの競合他社と激しい競争を繰り広げており、Claude Codeのような開発者向けツールが重要な差別化要因となっている。
同社の年間経常収益が1年間で5倍に成長したことは、企業のAI導入が急速に拡大していることを示している。特に、10万ドル以上の大口顧客が7倍に増加したことは、AI技術の企業利用が本格化していることを表している。
国際展開と安全性研究への投資
調達資金は企業導入の拡大に加えて、安全性研究の深化と国際展開にも使用される予定だ。AI技術の急速な発展に伴い、安全性や倫理的な課題への対応がますます重要になっており、Anthropicはこの分野でのリーダーシップを維持しようとしている。
引用元:TechCrunch Anthropic raises $13B Series F at $183B valuation
https://techcrunch.com/2025/09/02/anthropic-raises-13b-series-f-at-183b-valuation/