- Amazonが同社Novaファミリーで最も高性能なAIモデル「Nova Premier」をリリース
- テキスト・画像・動画処理に対応し、100万トークン(約75万語)の文脈理解が可能
- 一部ベンチマークではGoogleのGemini 2.5 Proに劣るものの、知識検索と視覚理解で高評価
AmazonがBedrock上で最新AI「Nova Premier」を提供開始
Amazonは水曜日、同社がNovaファミリーの中で最も高性能なAIモデルと主張する「Nova Premier」をリリースした。
テキスト・画像・動画処理に対応する高度な機能
テキスト、画像、動画を処理できる(ただし音声は不可)Nova Premierは、同社のAIモデル開発プラットフォーム「Amazon Bedrock」で利用可能だ。Amazonによれば、Premierは「文脈の深い理解、複数ステップの計画立案、複数のツールやデータソースにわたる正確な実行を必要とする」「複雑なタスク」に優れているという。
AWS re:Invent以降拡大するNovaモデルラインアップ
Amazonは12月の年次AWS re:InventカンファレンスでNovaモデルラインアップを発表した。過去数カ月間で、同社は画像・動画生成モデル、音声理解、エージェント型タスク実行モデルなどでコレクションを拡大してきた。
一部ベンチマークではGoogleに劣るものの独自の強み
一度に約75万語を分析できる100万トークンのコンテキスト長を持つNova Premierは、特定のベンチマークではGoogleなどのライバルAI企業の主力モデルよりも弱い。コーディングテストのSWE-Bench VerifiedではGoogleのGemini 2.5 Proに遅れをとり、数学と科学の知識を測るベンチマークGPQA DiamondとAIME 2025でも性能が低い。
しかしAmazonの社内ベンチマークによれば、Premierの明るい点として、同モデルは知識検索と視覚理解のテストであるSimpleQAとMMMUで良好な成績を収めている。
Gemini 2.5 Proと同等の価格設定
Bedrockでは、Premierはモデルに入力される100万トークンあたり2.50ドル(約375円)、モデルによって生成される100万トークンあたり12.50ドル(約1,875円)で価格設定されている。これはGemini 2.5 Pro(入力100万トークンあたり2.50ドル、出力100万トークンあたり15ドル(約2,250円))とほぼ同じ価格だ。
「推論」モデルではなく蒸留による小型モデル学習に最適
重要なのは、PremierはOpenAIのo4-miniやDeepSeekのR1のような「推論」モデルではないということだ。質問に対する回答を注意深く検討し事実確認するために追加の時間と計算能力を費やすことはできない。
Amazonは、Premierを蒸留を通じて小規模モデルを「教育する」のに最適なものとして売り込んでいる。つまり、特定のユースケースに対する能力を、より高速で効率的なパッケージに移転するということだ。
Amazonの成長戦略の中核に位置付けられるAI
AmazonはAIを全体的な成長戦略の中核としてますます位置づけている。アンディ・ジャシー(Andy Jassy)CEOは最近、同社が1,000以上の生成AIアプリケーションを構築していること、AmazonのAI収益が前年比で「3桁」のパーセンテージで成長しており、「年間数十億ドル(数千億円)の収益ランレート」を表していると述べた。
引用元:TechCrunch
Amazon launches Nova Premier, its most capable AI model yet