- イオンリテールが、日本マイクロソフトと共同開発した、Microsoft Copilotを活用した従業員向けAIアシスタントなどを搭載する新端末「オールインワンデバイス」を導入する。
- AIアシスタントは、数万ページのマニュアルを学習し、従業員の質問に即座に回答することで、顧客対応や業務の効率化を支援する。
- オールインワンデバイスは既存の複数端末を統合し、AIカカクやAIワークといった他のAIシステムも利用可能とするプラットフォームとなる。
- オールインワンデバイスは2025年度に1万台、2026年度に5万台をめどに約390店舗へ順次展開される計画だ。
イオンリテール、Microsoftと連携し従業員向けAIデバイスを導入
イオンリテールは、店舗で働く従業員の業務効率と顧客サービス向上を目指し、日本マイクロソフトと共同で開発した人工知能(AI)を活用した従業員向けサポートシステムを導入する。その中心となるのが、新端末「オールインワンデバイス」と、生成AIを活用した従業員マニュアル「AIアシスタント」である。
オールインワンデバイスは5月29日から、AIアシスタントは6月から、関東、北陸信越、東海、近畿、中四国のイオン、イオンスタイルなど約390店舗へ順次導入される計画だ。
Microsoft Copilotが支えるAIアシスタント
特に注目されるのが、6月に実装される「AIアシスタント」機能である。これは、米MicrosoftのチャットAI「Microsoft Copilot」を活用し、日本マイクロソフトと共同で開発された生成AIチャットボットである。数千ページから数万ページにも及ぶ膨大な業務マニュアルや関連法規を学習しており、従業員が業務中や顧客対応で生じた疑問に対して、数秒から十数秒で迅速かつ正確な回答を提供する。これにより、特に経験の浅い従業員でも、顧客からの問い合わせにスムーズに対応できるようになることが期待される。
初期段階では、顧客から問い合わせが多い事項(イオンラウンジの利用方法、免税対応、落とし物対応など)への対応に重点を置く。これは、現場の従業員がマニュアルを探す手間を省き、その場で問題解決を支援するための重要な機能となる。
多機能オールインワンデバイスと導入計画
「オールインワンデバイス」は、これまで従業員が商品の発注や在庫管理、顧客対応などで使用していた複数の専用端末を一つに統合したものである。この端末には、6月に実証運用が開始される「従業員アプリ」が搭載され、これ一つで複数のシステムを横断的に操作できるようになる。
従業員アプリには、AIアシスタントのほかにも、イオンリテールが過去に導入してきたAIシステムが含まれる。例えば、2021年に運用を開始した、AIが過去データに基づいて食品の適切な割引金額を提示する「AIカカク」や、2022年に導入された、AIが従業員のシフトから最適な勤務計画を作成する「AIワーク」などだ。これらのAI活用システムに加え、「MaIボード」や「商品位置検索システム」といった機能も統合され、店舗オペレーション全体の効率化を図る。
オールインワンデバイスは、高性能なスキャン機能も搭載している。文字スキャン(OCRスキャン)による賞味期限の読み取りと通知機能、カメラに映る複数のバーコードを一括で読み取れる一括スキャン(これにより作業時間が10分の1以下になるとされる)、そして高所や遠距離のバーコードを読み取れる長距離スキャンなど、現場作業の効率化に大きく貢献する機能が盛り込まれている。
オールインワンデバイスは、2025年度に1万台、2026年度には5万台をめどに導入される予定だ。デバイスの供給は順次となるため、従業員アプリはオールインワンデバイス以外の既存従業員端末にもインストールして利用できるようになっている。
引用元:Impress Watch
イオン、数万枚のマニュアルを学習した従業員向けAI端末
引用元:ITmedia AI+
イオン、従業員にオールインワンの“AIデバイス”導入へ AIはマイクロソフトと共同で開発