- アマゾンがニューヨークで開催されたイベントでAI技術を活用した新バージョン「Alexa+」を発表
- 「完全な再設計」と称される新しいAlexaはユーザーの好みや生活を理解し、視覚的理解能力も搭載
- ファイルやドキュメント、メールを解析して参照できる生産性ツールとしての機能も強化
- 新しいAlexa+は2025年後半に提供開始予定
生成AI技術を活用した「完全な再設計」のAlexa+
水曜日にニューヨークで開催されたイベントで、アマゾンは生成AI技術を活用した新しいAlexa体験「Alexa+」を発表した。同社のデバイス・サービス部門トップであるPanos Panay(パノス・パナイ)氏は、これをAIアシスタントの「完全な再設計」と表現した。
「Alexaのビジョンは野心的であり、今も非常に魅力的だが、まさにこの瞬間まで、私たちは技術によって制限されていた」とパナイ氏は述べた。「AIチャットボットだけでは、私たちのAlexaのビジョンには到達できない。」
ユーザーの生活を深く理解する新しいAlexa
アマゾンによると、新しいAlexaはアマゾンの顧客アカウント情報を活用して「今年何冊の本を読んだ?」といった質問に答えることが可能だという。また、新しいコンサートチケットが発売されたときに通知したり、ディナーの予約など特定のタスクの支援も行う。
「新しいAlexaはあなたの生活のほぼすべてを知っている —あなたのスケジュール、スマートホーム、好み、使用しているデバイス、つながっている人々、楽しんでいるエンターテイメントなど」とパナイ氏は説明した。
他の市場に出回っているアシスタント同様、アップグレードされたAlexaには視覚的理解能力が備わっている。デバイスのカメラを通じて映像フィードを取り込み、映像内で起きていることを考慮して質問に応答できる。
パナイ氏によると、改良されたAlexaはトーンや周囲の環境を理解し、それに応じて応答を調整できるという。「彼女はEQからユーモア、理解力までさまざまな方法でトレーニングされている」と付け加えた。「彼女は私が少し緊張していることを理解し、私を落ち着かせようとしている。」
Alexa+の高度な機能とエコシステム統合
学習ガイドからクイズを作成したり、基本的な旅行の行程を立てたりするタスクに加え、Alexa+は「近くで最高のピザ屋はどこ?」といった質問に応答できる。回答はAlexaの「記憶」にある情報と、Alexaが時間をかけて記録してきた好みに基づいている。
新しいAlexaには視覚的要素もある。アマゾンのEcho Showスマートディスプレイでは、Alexa+が写真ギャラリーやその他のパーソナライズされたコンテンツフィードを強化する。新しい「For You」パネルには、ユーザーの興味に基づくタイムリーな更新情報が表示され、スマートホームコントロールなどのウィジェットも追加される。
予想通り、Alexa+はアマゾンの広範なスマートホームエコシステムと緊密に統合されている。ユーザーはコマンドを発声することで、同じWi-Fiネットワークに接続されたサポート対象のスマートデバイスでAmazon Musicから音楽を再生したり、Fire TVデバイスで映画やテレビ番組の特定のシーンにスキップしたりできる。
また、Alexa+はRingセキュリティカメラの映像を要約し、シーンで何が起きているかを説明して特定の瞬間を表示することもできる。「彼女はあなたの仮想セキュリティガードだ」とパナイ氏は述べた。
生産性ツールとしての新しいAlexa
アマゾンは新しいAlexaを汎用アシスタントだけでなく、真剣な生産性ツールとして売り込んでいる。ユーザーはファイルやドキュメント(およびメール)をアップロードでき、同社によるとAlexaはこれらを解析して将来参照することができるという。
たとえば、ユーザーが「職場のスケジュールを転送したんだけど、注意すべき興味深いイベントはある?」と言うと、Alexaはその文書内の重要な項目をハイライトする。ただし、アマゾンはユーザーがそのようなファイルをAlexaに送信する方法の詳細をまだ共有していない。
ファイルの読み取りだけでなく、Alexa+はそれらのファイルに対して特定のアクションを実行することもできる。たとえば、文書からテキストをカレンダーに追加したり、特定の文書やメール内にある情報からリマインダーを作成したりできる。
もちろん、AIは悪名高い幻覚を引き起こすことで知られている。アマゾンはAlexa+が正確で信頼性が高いと主張しているが、新しい体験が今年後半に提供開始されたときに、これらの主張が実際に有効かどうかを確認する必要がある。
引用元:TechCrunch
Amazon unveils a new and improved Alexa, Alexa+