- EUのAI規制法の最初の遵守期限が到来し、「容認できないリスク」があるAIシステムの使用が禁止された。
- 違反企業には最大3,500万ユーロ(約36億円)または年間売上高の7%の制裁金が科される。
- 禁止対象には、社会的スコアリング、感情分析、生体認証データの収集などが含まれる。
EUにおけるAI規制法の施行開始
欧州連合(EU)は2月2日、AI規制法における最初の遵守期限を迎え、規制当局が「容認できないリスク」があると判断したAIシステムの使用を禁止できるようになった。この規制は、昨年3月に欧州議会で最終承認された包括的なAI規制フレームワークの一環である。
規制法では、AIシステムを4つのリスクレベルに分類している。最小リスク(迷惑メールフィルターなど)は規制対象外、限定的リスク(カスタマーサービスチャットボットなど)は軽度の規制、高リスク(医療推奨システムなど)は厳格な規制、そして容認できないリスクは完全禁止となる。
禁止対象となる「容認できないリスク」のAIシステム
禁止される主な活動には以下が含まれる:
- 個人の行動に基づくリスクプロファイルの作成
- 個人の意思決定を潜在的または欺瞞的に操作するAI
- 年齢、障害、社会経済的状況などの脆弱性を利用するAI
- 容姿に基づく犯罪予測を行うAI
- 性的指向などの個人的特徴を生体認証から推測するAI
- 法執行目的での公共空間におけるリアルタイムの生体認証データ収集
- 職場や学校での感情分析AI
- オンラインや監視カメラから画像を収集して顔認識データベースを作成・拡張するAI
Rob Sumroy(ロブ・サムロイ)氏による規制施行の見通し
英法律事務所Slaughter and Mayのテクノロジー部門責任者であるRob Sumroy(ロブ・サムロイ)氏は、「企業は2月2日までに完全な遵守が求められるが、制裁金と執行規定が発効する8月が次の重要な期限となる」と説明した。
主要テック企業の対応状況
昨年9月、Amazon、Google、OpenAIを含む100社以上がEU AI協定に署名し、AI規制法の原則を先行して適用することを約束した。一方、MetaやApple、フランスのAIスタートアップMistralは署名を見送った。
引用元:TechCrunch
AI systems with ‘unacceptable risk’ are now banned in the EU