- GoogleXから誕生したHeritable Agriculture、AIと機械学習を活用して農作物の生産性向上を目指す。
- AIモデルが植物のゲノムを分析し、収量増加や水使用量削減などの最適な組み合わせを特定。
- FTW Ventures、Mythos Ventures、SVG Venturesなどからシード資金を調達。Googleも出資参加。
AIによる農業革新へのアプローチ
2月2日、GoogleXの「ムーンショット工場」から新たに誕生したHeritable Agricultureは、AIと機械学習を駆使して1万2000年の歴史を持つ農業の現代化に挑戦している。同社は膨大なデータセットをAIで分析し、農家向けの実用的な指示に変換することで、地球の温室効果ガス排出量の約25%を占める農業分野の課題解決を目指している。
AIモデルの開発と実証実験
同社が開発したAIモデルは、植物のゲノムを分析し、収穫量増加、水使用量削減、土壌への炭素貯蔵能力向上などの気候変動対応型の特性を持つ作物の育種を可能にする。これらのモデルは、GoogleXのベイエリア本部の「特殊栽培チャンバー」で数千の植物を使って検証され、さらにカリフォルニア、ネブラスカ、ウィスコンシンの施設でも実証実験が行われた。
今後の展開と技術戦略
創業者兼CEOのBrad Zamft(ザムフト)氏は、将来的にはCRISPRを用いた遺伝子編集により植物を「プログラム可能」にすることを視野に入れつつも、当面は従来型の育種方法に注力する方針を示した。「遺伝子編集された植物の開発は行わず、遺伝子組み換えもロードマップにない。最適な交配対象の特定と育種の改善という、大きな未開拓ニーズに対応することに注力する」としている。
引用元:TechCrunch
Google’s X spins out Heritable Agriculture, a startup using AI to improve crop yield