- ポール・マッカートニーがAI技術を用いてジョン・レノンの声を復元
- 1978年に作曲された未完成の楽曲「Now And Then」が対象
- ピーター・ジャクソンのAI音声分離技術が鍵となる
- マッカートニーはAI技術の可能性と懸念を同時に表明
「Now And Then」AIによる音声復元
ポール・マッカートニーは、人工知能(AI)技術を駆使して、ビートルズの「最後の」レコードを制作したことを明らかにした。BBCラジオ4の番組で、AIを使用してジョン・レノンの声を古いデモテープから抽出したと説明。「今年リリースされる」と語った。
対象の楽曲は1978年にレノンが作曲した「Now And Then」である。1995年のアンソロジーシリーズでも既に「再会の曲」として検討されていた。レノンの妻、オノ・ヨーコから受け取ったデモテープには、複数の曲が収録されていた。
テクノロジーがもたらした突破口
ピーター・ジャクソン監督の「Get Back」ドキュメンタリーで使用された音声分離技術が、この楽曲完成の鍵となった。対話編集者のエミル・ド・ラ・レイ氏が、ビートルズのボーカルを背景雑音や楽器音から分離する技術を開発。これにより、クリーンな音声データの作成が可能になった。
AIへの期待と懸念
マッカートニーは、AIによる声の抽出技術に可能性を見出す一方で、他のAI応用には懸念を示している。「AIが自分の曲を歌っているトラックがある」と指摘し、その技術の未来に対して「恐ろしくもあり、興奮もする」と率直な感想を述べた。
今回の楽曲は、ビートルズのメンバーが全員健在だった時代から四半世紀以上経過した今、AIという最新技術によって完成が可能となった歴史的な音楽プロジェクトと言える。レコーディングは2024年中にも完了する見込みだ。
引用元:BBC News
Sir Paul McCartney says artificial intelligence has enabled a ‘final’ Beatles song