- Elon Musk(イーロン・マスク)氏のxAI社がGrok 2.5のモデルウェイトをHugging Faceで公開
- Grok 3についても約6カ月後にオープンソース化予定と発表
- カスタムライセンスに「反競争的条項」が含まれているとAIエンジニアが指摘
- 「白人ジェノサイド」陰謀論やホロコーストへの懐疑的発言で今年論争を呼んだGrok
xAI、Grok 2.5のモデルウェイトを公開
Elon Musk(イーロン・マスク)氏のxAI社は8月24日、同社のAIモデルGrokの旧バージョン、具体的にはGrok 2.5の形成に使用されたモデルウェイトをオープンソースプラットフォームのHugging Faceで公開した。
「@xAIのGrok 2.5モデルは昨年の我々の最高モデルだったが、現在オープンソース化した」とMusk氏はXで投稿した。同氏はさらに、Grok 3について「約6カ月後にオープンソース化される予定」と付け加えた。
ライセンスに反競争的条項が存在
AIエンジニアのTim Kellogg(ティム・ケロッグ)氏は、Grokのライセンスについて「いくつかの反競争的条項を含むカスタム」ライセンスだと説明した。これは完全に自由な使用を制限する可能性を示唆している。
Grok、今年度に複数の論争を引き起こす
X(最近xAIと合併)で目立って機能しているGrokは、今年かなりの論争を巻き起こした。特に、チャットボットが「白人ジェノサイド」陰謀論に固執するようになった後、ホロコーストの死者数に懐疑的な見解を表明し、自らを「MechaHitler」と表現したことで物議を醸した。これを受けてxAI社はGitHubでシステムプロンプトを公開することとなった。
Grok 4は「最大限真実追求型AI」と主張
Musk氏は最新版のGrok 4を「最大限真実追求型AI」と説明しているが、同モデルは論争の多い質問に答える前にMusk氏のソーシャルメディアアカウントを参照しているように見える。
オープンソース戦略の背景
今回のGrok 2.5のオープンソース化は、AI業界での透明性と競争促進の一環と見られる。xAI社の狙いはアクセシビリティの向上にあるとされており、研究者や開発者がGrokの技術を研究・改良できるようになる。
ただし、カスタムライセンスの存在により、商用利用や競合製品での使用には制限が設けられている可能性がある。これは完全なオープンソースとは異なるアプローチを示している。
AI業界でのオープンソース競争激化
xAI社のGrok 2.5オープンソース化は、Meta社のLlama、Google社のGemma、Anthropic社のClaude系モデルなど、他の大手テック企業によるオープンソースAIモデル公開の流れに続くものだ。
これらの動きは、プロプライエタリモデルとオープンソースモデルの間での競争を激化させており、AI技術の民主化と同時に、各社の戦略的優位性確保の両立を図る傾向が見られる。
今後の展開と業界への影響
6カ月後に予定されているGrok 3のオープンソース化は、xAI社がより積極的にオープンソース戦略を推進する意向を示している。これにより、AI研究コミュニティでの同社の影響力拡大が期待される一方、競合他社との差別化要因の維持が課題となる可能性がある。
引用元:TechCrunch Elon Musk says xAI has open sourced Grok 2.5
https://techcrunch.com/2025/08/24/elon-musk-says-xai-has-open-sourced-grok-2-5/