石破首相、AI新法受け司令塔設置を指示 知的財産保護との両立も急務に

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日本政府は、AIに関する新たな法律の成立を受け、その活用と開発を加速させるための体制構築を急いでいます。石破総理大臣は、AI政策の司令塔となる本部の設置や基本計画の策定を指示し、同時に、AIが関与する発明や創作における知的財産保護のあり方についても検討を進める考えを示しました。これは、AI技術の進展と社会実装を両立させるための、政府一体となった取り組みを加速させる動きです。

AI新法成立、司令塔設置と基本計画策定を急ぐ政府

AIに関する新たな法律が成立したことを受け、石破総理大臣は2025年6月2日、「AI戦略会議」で、AI政策の司令塔となる本部の設置や、適正な研究開発・活用を図るための基本計画の策定を急ぐよう関係閣僚に指示しました。

石破首相は、新法が「イノベーションの促進とリスク対応を両立させる法律」であると強調。これにより「世界で最もAIの研究開発と実装がしやすい国」を目指す考えを示しました。具体的には、今年秋までにAI政策の司令塔となる「すべての閣僚による本部と有識者会議」を設置し、今年冬までにはAIの適正な研究開発と活用を推進するための基本計画を策定するよう指示が出ています。

この基本計画には、AIが地方の暮らしをどのように変えるかを示すビジョンに加え、AIやロボットを活用した生産性向上、そして喫緊の課題である人手不足への対応を進める方針が盛り込まれる見込みです。

発明・創作へのAI利用、特許制度のあり方を検討へ

AI技術の進歩は、知的財産の分野にも新たな課題を提起しています。政府は6月3日に開催された「知的財産戦略本部」の会合で、今年度の「知的財産推進計画」を決定。この中で、発明や創作の過程でAIを利用した場合の特許制度のあり方について検討を進める方針を明確にしました。

現在の特許制度には、AIの開発者を「発明者」として認めるべきかといった明確な基準が存在しません。今後、発明などへのAIの関与が増えることが予想されることから、政府は「発明者」の定義を含め、特許制度のあり方を検討し、結論を得るとしています。

会合で石破首相は、「AI技術の進歩と知的財産権の適切な保護の両立」を目指す考えを改めて表明。開発の透明性確保のための具体策や、海外のサーバーを介した特許侵害行為への対応など、必要な制度整備を政府一体となって進める方針を示しました。

今回の政府の動きは、AI技術の急速な進展に対し、法整備と戦略策定の両面から迅速に対応しようとする強い意思の表れと言えるでしょう。イノベーションを促進しつつ、倫理的・法的な課題にも適切に対処することで、日本がAI時代における国際的なリーダーシップを確立できるかが注目されます。

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