- フランスのAIスタートアップMistralが独自のAIコーディングクライアント「Mistral Code」を発表
- GitHub Copilot、Windsurf、Cursorに対抗する企業向けAIプログラミング支援ツール
- 80以上のプログラミング言語をサポート、オンプレミスやクラウド展開が可能
- Capgemini、Abanca銀行、SNCF国鉄など大手企業が本格運用中
Mistral CodeによるAIコーディング市場参入
フランスのAIスタートアップMistralは6月4日、独自の「バイブコーディング」クライアント「Mistral Code」をリリースし、Windsurf、AnysphereのCursor、GitHub Copilotなどの既存サービスと競合すると発表した。
Mistral Codeは、オープンソースプロジェクトContinueのフォークであり、Mistralのモデル群、「IDE内」アシスタント、ローカル展開オプション、企業向けツールを単一パッケージに統合したAI駆動のコーディングアシスタントだ。水曜日より、JetBrains開発プラットフォームとMicrosoftのVS Code向けのプライベートベータが利用可能となった。
Mistralは、ブログ記事で「Mistral Codeの目標はシンプルだ。企業開発者に最高クラスのコーディングモデルを提供し、クラウド、専用キャパシティ、またはエアギャップ環境のオンプレミスGPUに展開可能な統合プラットフォームを通じて、即座の補完から多段階リファクタリングまですべてを可能にする」と述べている。
AIプログラミング支援ツール市場の急成長
AIプログラミングアシスタントの人気は急速に高まっている。質の高いソフトウェアのコーディングには依然として苦労しているものの、コーディング生産性を向上させるという約束により、企業と開発者は急速にこれらのツールを採用している。最近の調査では、昨年76%の開発者がAIツールを使用したか、開発プロセスでの使用を計画していることが判明した。
Mistral Codeの技術的特徴と機能
Mistral Codeは、Codestral(コード自動補完用)、Codestral Embed(コード検索・取得用)、Devstral(「エージェント的」コーディングタスク用)、Mistral Medium(チャット支援用)を含む社内モデルの組み合わせによって動作するとされている。このクライアントは80以上のプログラミング言語と多数のサードパーティプラグインをサポートし、ファイル、ターミナル出力、課題などについて推論できると同社は述べた。
大手企業での本格運用事例
Mistralは、コンサルティング会社Capgemini、スペイン・ポルトガルの銀行Abanca、フランス国鉄SNCFなどの顧客がMistral Codeを本格運用で使用していると主張している。
同社はブログ記事で「顧客はプライベートリポジトリで基盤モデルをファインチューニングまたは後学習させたり、軽量版を蒸留したりできる。IT管理者向けには、豊富な管理コンソールが詳細なプラットフォーム制御、深い可観測性、席管理、使用状況分析を提供する」と説明した。
オープンソースプロジェクトへの貢献
Mistralは、Mistral Codeの改善を継続し、それらのアップグレードの少なくとも一部をContinueオープンソースプロジェクトに貢献する計画だと述べている。
Mistralの企業概要と資金調達状況
2023年に設立されたMistralは、チャットボットプラットフォーム「Le Chat」やモバイルアプリを含む様々なAI駆動サービスを構築するフロンティアモデル研究所だ。General Catalystなどのベンチャー投資家に支援されており、これまでに11億ユーロ(約12億4,000万ドル)以上を調達している。
関連製品の展開状況
数週間前、Mistralは前述のCodestral、Devstral、Mistral Mediumモデルを発表した。同時期に、同社はAIエージェントビルダーなどのツールを提供し、MistralのモデルをGmail、Google Drive、SharePointなどのサードパーティサービスと統合する企業向けチャットボットサービス「Le Chat Enterprise」を展開した。
引用元: TechCrunch
Mistral releases a vibe coding client, Mistral Code