- Amazon Web Services(AWS)が、サウジアラビア政府が支援するAI企業Humainと戦略的パートナーシップを締結したことが明らかになった。
- 両社はサウジアラビア国内に「AIゾーン」を構築するため、総額50億ドル(約7750億円)超を投資する計画だという。
- AIゾーンには専用のAWS AIインフラなどが含まれ、HumainはAWS技術を活用したAIソリューション開発やスタートアップ支援を行う。
- この投資は、Amazonが以前発表したサウジアラビアでのAWSリージョン開発(約53億ドル規模)とは別の「追加投資」と位置づけられている。
AWS、サウジアラビアの国家AI企業Humainと大型提携
Amazonは、サウジアラビアのMohammed bin Salman(ムハンマド・ビン・サルマン)皇太子が率いるAI企業Humainと「戦略的パートナーシップ」を締結し、サウジアラビア国内に「AIゾーン」を構築するため、総額50億ドル(約7750億円)超を投資すると発表した。
AIゾーンの概要とHumainの役割
発表によると、このAIゾーンには専用のAmazon Web Services(AWS)のAIインフラ、サーバー、ネットワーク、人材育成プログラムなどが含まれる。Humainは、AWSの技術を活用したAIソリューションの開発を進め、サウジアラビア国内のAIスタートアップに対し、AWSのツールやプログラムへのアクセスを提供する面で協力していくという。
Humainはサウジアラビアの政府系ファンド(PIF)が出資しており、最近ではNvidiaやAMDといった米国のテック大手とも提携している。GoogleやSalesforceといった企業もまた、AI関連プロジェクトや投資においてPIFと協力している状況だ。
トランプ氏訪問と米国の輸出政策
今回の提携は、ドナルド・トランプ米大統領と複数のテクノロジー業界関係者がサウジアラビアを訪問し、サウジ・米国投資フォーラムに出席した直後のタイミングで発表された。トランプ政権の新たなイニシアチブのもと、NvidiaやAMDを含む米国のテックサプライヤーがサウジアラビア企業と取引を行うことが許可されている。
データ所在地の義務付けと他社の動向
サウジアラビアでは、国内で事業を行うAI企業やサービスに対し、データを国内に保存することを義務付けている。これにより、ベンダーは契約を維持するために国内に設備を設置せざるを得ない状況だ。このデータ所在地の義務付けもあり、GoogleやOracleといった企業も過去1年間で中東地域での事業拡大計画を発表している。
既存投資に追加されるAIゾーン投資
Amazonは昨年3月、サウジアラビアでのデータセンター開発に数十億ドルを費やすと既に表明していた。5月14日には、2026年に稼働開始予定のサウジアラビア国内でのAWSリージョン開発に約53億ドル(約8215億円)を投じると改めて発表している。今回のAIゾーンへの投資は、この約53億ドルの計画とは別の「追加投資」だとAmazonは説明している。ただし、今回のAIゾーンへのAmazonによる投資が、元々発表されていた多額の投資枠の一部から捻出されるのかどうかは明らかではない。
引用元:TechCrunch
AWS enters into ‘strategic partnership’ with Saudi Arabia-backed Humain