東方Project新作「錦上京」で生成AI使用 ファン間で賛否割れる

  • 同人サークル「上海アリス幻樂団」が手掛ける「東方Project」シリーズの新作ゲーム「東方錦上京 Fossilized Wonders.」において、開発の一部に生成人工知能(AI)が使用されていることが明らかになった。
  • Steamなどのストアページで「一部の背景テクスチャに、AI生成コンテンツが含まれている」と明記されている。
  • 生成AIの利用に対し、ファンやSNSユーザーの間では賛否が分かれており、「気にしない」という声と「AI使用なら買わない」という声が見られる。
  • ゲーム開発におけるAI活用は広がりつつあるが、ユーザーの反応は二分化しており、ゲーム開発者にとって情報発信が難しい状況となっている。

東方Project最新作、生成AI使用を公表

人気同人ゲームシリーズ「東方Project」の第20作目となる新作「東方錦上京 Fossilized Wonders.」の開発において、一部に生成人工知能(AI)が使用されていることが判明し、ファンの間で議論を呼んでいる。開発元である同人サークル「上海アリス幻樂団」は、PCゲーム配信プラットフォーム「Steam」などのストアページで、その旨を明記している。

AI利用の具体的内容とファンの反応

「東方錦上京」は、主人公に博麗霊夢と霧雨魔理沙を据え、オーソドックスな弾幕シューティングとして原点回帰を意識した作品とされる。ストアページの表記によると、AIが使用されているのは「一部の背景テクスチャ」であり、「AIによってリアルタイムで生成されるものはありません」と補足されている。

この生成AIの利用に対し、ファンやSNS(主にXなど)ユーザーの反応は割れている。「AIが使われていること自体は特に気にしない」という肯定的な声がある一方、「AIが使われているなら購入は見送る」といった否定的な意見も表明されている。また、ゲームなどのダウンロード販売サイト「DLsite」ではAI利用の明記が必須となっているが、当初その記載がなかったとして批判する声も一部で見られた。

広がるゲーム業界のAI活用と課題

ゲーム開発分野での生成AI活用は近年、国内外で進行しており、「東方錦上京」の他にも事例が相次いでいる。例えば、カプコンがGoogleの画像生成AI「Imagen 2」を利用したことが公表されたり、コロプラが画像生成AIを活用したゲーム「神魔狩りのツクヨミ」を発売したりしている。さらに、Cygamesやレベルファイブといった大手ゲーム会社も社内で生成AIを活用していることを明らかにしている。

しかし、これらのAI活用事例に対するユーザーの受け止め方は二分化しており、賛成派と反対派で意見が衝突する場面もSNSなどで頻繁に見られる。「ゲーム企業が安易に生成AIを使うべきではない」という批判と、「AIをうまく活用したゲームは新鮮で楽しめる」という肯定的な評価が同時に存在している。

IT業界全体で生成AIの導入が進む一方で、ゲームのようにクリエイターの個性や作品性が重視される分野では、AI活用の是非や、どのようにユーザーとコミュニケーションを取るかが難しい局面となっている。「東方錦上京」での生成AI使用を巡る議論は、ゲーム業界全体が向き合うべき課題を改めて浮き彫りにしていると言える。

引用元:Yahoo!ニュース(ITmedia NEWS)
東方Project新作「錦上京」は生成AI使用 ネット賛否(ITmedia NEWS) – Yahoo!ニュース

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