学業におけるAI活用:認知度5割でも利用は1割台、広がる期待と根強い懸念

Children School AI

  • 株式会社イー・ラーニング研究所の調査により、生成AIの認知度は約半数に達したが、学業での利用経験者は14.2%に留まることが判明した。
  • 学業でのAI活用について、回答者の約6割がネガティブな意見を持っており、特に「考える力の低下」や「誤情報の懸念」が上位の理由として挙げられた。
  • AI活用場面は「調べもの」が中心であり、より高度な利用は限定的であることが明らかになった。
  • AI導入が進むことで、学業の評価基準や学習方法が変化し、思考力・問題解決力がより重視されるといった期待も存在する。

【「学業におけるAI活用に関する意識調査」概要】
調査方法 : クロス・マーケティング・グループ QiQUMOを使用
調査期間 : 4月18日(金)~4月21日(月)
調査対象 : 全国の男女
イー・ラーニング研究所調べ

学業における生成AIの認知度と利用実態

e-ラーニングに関する様々なコンテンツを提供する株式会社イー・ラーニング研究所(代表取締役:吉田智雄氏)は、学業における生成AIの活用状況に関する意識調査を全国の男女を対象に実施した。この調査は2023年4月18日から21日の期間、クロス・マーケティング・グループのQiQUMOを用いて行われたものである。

調査結果によれば、「生成AIをご存知ですか?」という問いに対し、「よく知っている」(15.5%)、「少し知っている」(30.9%)となり、合計で約半数(46.4%)が生成AIについて知っていると回答した。しかし、「学業にAIを使った経験はありますか?」という問いに対して「ある」と回答した人は14.2%に留まり、生成AIの認知度は一定程度あるものの、実際の学業における活用はまだ一部に限定されている現状が浮き彫りとなった。

AI活用への根強い懸念と具体的な理由

学業にAIを活用することについての意見を尋ねたところ、約6割がネガティブな意見を持っていることが判明した。「使いすぎが心配」(25.5%)、「あまり良いとは思わない」(29.2%)といった回答が多く寄せられており、AIの学業への導入に対する慎重な姿勢が目立つ結果となった。

具体的に懸念する点としては、「自分で考える力がなくなる」(29.5%)が最も多く、次いで「誤った情報を信じてしまう可能性がある」(23.8%)、「書く力・表現力が育たなくなる」(23.7%)と続いた。「AIを使う/使わないで学力格差が広がる」(11.1%)という懸念も存在する一方、「特にデメリットは感じない」という回答は11.5%に留まっており、多くの人が何らかのデメリットを感じている状況である。

主なAI活用場面と教育現場への影響

学業においてAIを使う、あるいは使いたいと思う場面としては、「調べもの」が最も多く挙げられた。このことから、現在の学業におけるAI活用は、情報収集の補助ツールとしての利用が中心であることがうかがえる。レポートやプレゼン資料の作成といった、より踏み込んだ応用的な活用はまだ広く行われていない実態が明らかとなった。

AIの導入が進んだ場合の学業への影響については、「学業における評価基準が変わる」(19.7%)、「従来の暗記型学習が薄れ、思考や問題解決力が重視される」(19.5%)といった意見がほぼ同率で続き、「学習のペースや方法が多様化し、選択肢が増える」(18.3%)という回答も多く見られた。これらの結果は、AIの普及が今後の学業内容や評価のあり方に変化をもたらす可能性を感じている人が多いことを示している。

今回の調査から、学業における生成AIは認知されつつあるものの、その実際の活用はまだ限定的であり、利便性への期待がある一方で、学習能力への影響や情報の正確性といった多くの懸念が払拭されていない現状が確認できた。今後の教育現場におけるAIの適切な位置づけと活用方法について、更なる議論と検討が必要であると言える。

引用元:毎日新聞
学業におけるAI活用に関する意識調査(共同通信PRワイヤー)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です