Anthropic、科学研究を支援するプログラムを立ち上げ

Anthropic

  • 最大2万ドル(約300万円)のAPI利用クレジットを6ヶ月間提供
  • 生物学やライフサイエンス分野の「高インパクト」研究に焦点
  • 研究者の科学貢献度や提案研究の潜在的影響力に基づき毎月選考

Anthropicが科学研究を促進するAIプログラムを発表

Anthropicが「高インパクト」な科学プロジェクトに取り組む研究者を支援する「AI for Science」プログラムを立ち上げた。このプログラムは生物学とライフサイエンス応用に焦点を当てている。

5月5日に発表されたこのプログラムでは、「貢献した科学分野、提案された研究の潜在的影響力、および研究を意味ある形で加速するAIの能力」に基づいて選ばれる「適格な」研究者に対し、6ヶ月間で最大2万ドル(約300万円)のAnthropic APIクレジットを提供する。選ばれた研究者はAnthropicの標準AIモデルスイートにアクセスでき、公開されているすべてのClaudeファミリーモデルを利用できる。

「高度なAIの推論と言語能力は、研究者が複雑な科学データを分析し、仮説を生成し、実験を設計し、そして研究結果をより効果的に伝えるのに役立つ」とAnthropicはブログ記事で述べている。「特に、複雑な生物学的システムの理解、遺伝子データの分析、特に世界的な疾病負担の大きい薬剤発見の加速、農業生産性の向上などに関連するプロセスの加速においてAIが支援できる応用分野に関心がある」。

科学分野でのAI活用をめぐる現状と課題

AnthropicはAIを科学に活用することに前向きな多くのAI企業の一つだ。今年初め、GoogleはAI共同科学者を発表し、この技術巨人は科学者が仮説や研究計画を作成するのを支援できると述べた。Anthropicとその主要ライバルであるOpenAI、そしてFutureHouseやLila Sciencesなどの組織は、AIツールが科学的発見、特に医学分野での発見を大幅に加速できると主張している。

しかし多くの研究者は、現在のAIが科学的プロセスを導くのに特に有用だとは考えていない。これは主にその信頼性の低さが原因だ。

「AI科学者」を開発する上での課題の一部は、数え切れないほどの交絡因子を予測することだ。AIは、可能性の広大なリストを絞り込むような広範な探索が必要な分野では役立つかもしれないが、本物のブレークスルーにつながるような型破りな問題解決ができるかどうかは不明確だ。科学向けに設計されたAIシステムからの結果は、これまでのところほとんど期待外れだった。2023年、GoogleはGNoMEと呼ばれる同社のAIの助けを借りて約40の新素材が合成されたと述べたが、外部の分析によると、それらの素材のうち実際に全く新しいものは一つもなかった。

Anthropicのプログラム詳細と選考基準

AnthropicはAI for Scienceプログラムの選考を毎月第一月曜日に、科学的メリット、潜在的影響力、技術的実現可能性、およびバイオセキュリティスクリーニング基準(つまり、提案された研究が有害なアプリケーションを可能にしないことを確認する)に基づいて行うとしている。研究者は同社のウェブサイト上のフォームを通じて応募でき、応募はAnthropicの「関連分野の専門家を含む」チームによって審査される。

Anthropicは今回の取り組みがこれまでの試みよりもうまくいくことを期待しているに違いない。

引用元:TechCrunch
Anthropic launches a program to support scientific research

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