WikipediaがAI活用戦略を発表 – ただし人間のボランティアの代わりにはならない

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  • Wikipediaを運営するWikimedia Foundationが今後3年間のAI戦略を発表、人間の編集者やボランティアをAIで置き換えない方針を明確化
  • AIを活用して「技術的障壁を取り除く」新機能を構築し、編集者や管理者が業務を効率化できるツールを提供
  • 単調なタスクの自動化、情報の発見可能性向上、翻訳の自動化、新規ボランティアの導入支援などにAIを活用
  • 生成AIの台頭でWikipediaの知識ベース維持の重要性が増している現状も指摘

Wikimedia Foundationが人間中心のAI戦略を発表

Wikipediaを運営する非営利団体が水曜日、今後3年間の新しいAI戦略を発表した。幸いにも、Wikipedia編集者やボランティアのコミュニティを人工知能に置き換えるものではない。

代わりに、Wikimedia Foundationは「技術的障壁を取り除く」新機能の構築にAIを活用するとしている。これにより編集者、モデレーター、パトロール担当者は「技術的な実現方法」を心配することなく、必要なタスクを完了できるツールを得ることができる。

AIは人間の代替ではなく支援ツールとして

特にコンテンツ作成の分野で、AIが現在人間が担当している仕事に影響を与える可能性があるという懸念がある中、Wikipediaは人々の仕事を代替するのではなく、より容易にするツールとしてAIを使用する意向を示している。

同団体は、生成AIが優れている特定の分野でそれを活用するとしている。これには単調なタスクを自動化するAI支援ワークフローの作成が含まれる。さらに、AIはWikipedia上の情報の発見可能性を向上させるために使用され、編集者にはWikipediaエントリの作成、変更、更新に関するコンセンサスを構築するために必要な人間による審議のための時間がより多く与えられる。

AIはまた、翻訳を自動化することで編集者を支援し、新しいボランティアの導入プロセスも支援する。

Wikimedia Foundationの人間中心アプローチ

「AIとの将来の取り組みは、何をするかだけでなく、どのように行うかによって成功すると確信している」とWikimedia Foundationの機械学習ディレクターであるChris Albon(クリス・アルボン)氏とWikimedia Foundationの研究ディレクター兼責任者であるLeila Zia(レイラ・ジア)氏はこのニュースを発表するブログ記事で述べている

「私たちの取り組みでは、長年保持してきた価値観、原則、方針(プライバシーや人権など)を羅針盤として使用する。人間中心のアプローチを取り、人間の主体性を優先する。オープンソースまたはオープンウェイトAIの使用を優先する。透明性を優先する。そしてWikipediaの基本的な部分である多言語性に対して、きめ細かなアプローチを取る」と投稿は続けている。

同団体はまた、Wikipediaの知識ベースを維持することは、ときに誤りを犯し、回答を幻覚することで知られる生成AIの台頭以来、重要性が増している使命であると指摘した。

引用元:TechCrunch
Wikipedia says it will use AI, but not to replace human volunteers

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