- Metaが初のAI開発者会議LlamaConを開催し、消費者向けMeta AIチャットボットアプリとLlama APIを発表
- オープンAIエコシステム促進の背後にある真の狙いはOpenAIへの対抗であることを鮮明に
- マーク・ザッカーバーグCEOは「オープンソースは閉鎖的なモデルを品質で上回る」と断言
MetaがカリフォルニアでLlamaConを初開催
火曜日、Metaはカリフォルニア州メンロパークの本社で初のAI開発者会議「LlamaCon」を開催した。同社はChatGPTと競合する消費者向けMeta AIチャットボットアプリのリリースと、クラウド上のLlamaモデルにアクセスするための開発者向けAPIの発表を行った。
同社のLlamaオープンAIモデル普及に向けた戦略
両製品は同社のオープンLlama AIモデルの採用拡大を目指すものだが、その目標はMetaの真の動機である「OpenAIに勝つこと」に次ぐものかもしれない。大まかに言えば、MetaのAI戦略は、モデルをサービスの背後に隠す「閉鎖的な」AIプロバイダーであるOpenAIに対抗する、活発なオープンAIエコシステムを育成することにある。
OpenAIの噂のSNSを先取りしたAIチャットボットアプリ
MetaのAIチャットボットアプリは、OpenAIが噂されているソーシャルネットワークを先取りしたような印象だ。ユーザーがAIとのチャットを共有できるソーシャルフィードを備え、ユーザーのMetaアプリ活動に基づいたパーソナライズされた応答を提供する。
Llama APIによるOpenAIのAPI事業への挑戦
Llama APIについては、OpenAIのAPI事業への挑戦だ。Llama APIは、開発者がわずか1行のコードでクラウド上のLlamaモデルに接続するアプリを構築することを簡素化するよう設計されている。Llamaモデルを実行するためにサードパーティのクラウドプロバイダーに依存する必要がなくなり、MetaはAI開発者向けのより充実したツール群を提供できるようになる。
Meta幹部のOpenAI対抗への執着
多くのAI企業と同様、MetaはOpenAIを最大のライバルと見なしている。Metaに対する訴訟の裁判所提出文書によれば、同社の幹部たちは以前、かつて最先端モデルだったOpenAIのGPT-4に勝つことに執着していた。OpenAIのような独自AIモデルプロバイダーの足元を掘り崩すことは、長らくMetaのAI戦略の核心だった。2024年7月の書簡で、Metaのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOはMetaとOpenAIのような企業を対比させ、「AIモデルへのアクセス販売は[Meta]のビジネスモデルではない」と記している。
AI推論モデル未発表もOpenAIへの対抗姿勢は明確
LlamaCon前にいくつかのAI研究者は、MetaがOpenAIのo3-miniのような競争力のあるAI推論モデルをリリースすることを期待していた。結局同社はそうしなかったが、Metaにとって必ずしもAIレースに勝つことが重要ではないのかもしれない。
LlamaConでのDataBricksCEOのアリ・ゴドシ(Ali Ghodsi)氏との舞台上の会話で、ザッカーバーグ氏はDeepSeekや阿里巴巴(Alibaba)のQwenを含め、モデルを公開するすべてのAI研究所を、閉鎖的なモデルプロバイダーとの戦いにおける同盟者と見なしていると述べた。
ザッカーバーグCEO「オープンソースは閉鎖モデルを上回る」
「オープンソースの価値の一部は、組み合わせられることだ。もし別のモデル、例えばDeepSeekが優れていたり、Qwenが何かに優れていたりすれば、開発者として異なるモデルから最高の知性の部分を取り出し、必要なものを正確に生み出す能力がある」とザッカーバーグ氏は述べた。「これがオープンソースがすべての閉鎖的なソース[モデル]を品質で上回る方法の一部だ…止められない力のような感じがする」。
EU AI法の規制除外を満たす戦略的狙い
OpenAIの成長を妨げることに加え、Metaはオープンモデルを押し進めることで規制上の免除条件を満たそうとしている可能性もある。EU AI法は「無料でオープンソース」のAIシステムを配布する企業に特別な特権を与えている。Metaは必要な基準を満たしているかどうかについての意見の相違があるにもかかわらず、そのLlamaモデルを「オープンソース」と主張することが多い。
理由に関わらず、Metaはオープンモデルのエコシステムを強化し、OpenAIの成長を制限するAIの発表を開始することに満足しているようだ—時には自身が最先端モデルを提供できないという犠牲を払ってでも。
引用元:TechCrunch
Meta’s LlamaCon was all about undercutting OpenAI