- OpenAIがGPT-2以来初となる「オープン」言語モデルの開発詳細が明らかになり始める
- この推論モデルは2025年初夏の公開を目指し、他のオープンモデルよりも優れたベンチマークスコアを目標としている
- 使用や商業的制限が少ない高い許容性のあるライセンスを検討中で、Meta LlamaやGoogle Gemmaが受けた批判を避ける姿勢
- 「テキスト入力、テキスト出力」型のこのモデルは高性能な一般消費者向けハードウェアでの実行を想定
OpenAIのオープンモデル開発計画
3月末、OpenAIはGPT-2以来初となる「オープン」言語モデルを今年中にリリースする意向を発表した。現在、AI開発者コミュニティとのセッションから、そのモデルに関する詳細が少しずつ明らかになり始めている。
情報筋によると、OpenAIのリサーチ担当副社長であるエイダン・クラーク(Aidan Clark)氏がこのオープンモデルの開発を主導しており、現在は非常に初期段階にあると語った。OpenAIは2025年初夏のリリースを目標としており、このモデル—OpenAIのoシリーズモデルのような推論モデル—を他のオープン推論モデルの中でベンチマークトップを目指している。
許容性の高いライセンス採用の方針
情報筋によると、OpenAIはこのモデルに対して使用や商業的制限が少ない非常に許容性の高いライセンスを検討している。LlamaやGoogleのGemmaのようなオープンモデルはコミュニティの一部から厳しい要件を課していると批判されており、OpenAIはそうした批判を避けようとしているようだ。
OpenAIは、モデルをオープンにしてローンチするアプローチを採用している中国のAIラボDeepSeekなどのライバルからの圧力が高まっている。OpenAIの戦略とは対照的に、これらの「オープン」な競合企業は、実験のため、そして場合によっては商業化のためにAIコミュニティにモデルを提供している。
オープンモデル戦略の成功例
これは一部の組織にとって非常に成功した戦略であることが証明されている。Llama AIモデルファミリーに多額の投資を行ったMetaは、3月初めにLlamaが10億回以上ダウンロードされたと発表した。一方、DeepSeekは世界中で急速に大規模なユーザーベースを築き、国内投資家の注目を集めている。
OpenAIの新モデルの技術詳細
情報筋によると、OpenAIは「テキスト入力、テキスト出力」となるオープンモデルを高性能な一般消費者向けハードウェアで実行できるようにし、開発者がAnthropicなどが最近リリースした推論モデルと同様に「推論」機能をオン・オフできるようにする計画だという。(推論は精度を向上させるが、その代わりに遅延が増加する。)ローンチが好評であれば、OpenAIはさらに追加モデル—おそらくより小型のモデルを含む—でフォローアップする可能性がある。
アルトマンCEOのオープンソース戦略転換
以前の公開コメントで、OpenAI CEOのサム・アルトマン(Sam Altman)氏は、技術のオープンソース化に関してOpenAIは歴史の誤った側にいたと考えていると述べた。
「[個人的には]異なるオープンソース戦略を考え出す必要があると思います」とアルトマン氏は1月のReddit Q&Aで述べた。「OpenAIの全員がこの見解を共有しているわけではなく、現在の最優先事項でもありません…私たちは[今後]より良いモデルを作成しますが、以前の年に比べてリードを維持するのは難しくなるでしょう。」
安全性評価とモデルカードの公開計画
アルトマン氏はまた、OpenAIの今後のオープンモデルは徹底的にレッドチーム(攻撃検証)され、安全性が評価されると述べている。情報筋によると、同社はこのモデルのモデルカード—OpenAIの内部および外部のベンチマークと安全性テストの結果を示す詳細な技術レポート—をリリースする予定だという。
「[リ]リース前に、他のモデルと同様に、当社の準備態勢フレームワークに従ってこのモデルを評価します」と先月アルトマン氏はXへの投稿で述べた。「[そ]して、このモデルがリリース後に修正されることを知っているため、追加作業を行います。」
OpenAIは最近のモデルの安全性テストを急いだとされ、他のモデルのモデルカードをリリースしなかったとして、一部のAI倫理学者から怒りを買っている。また、アルトマン氏は2023年11月の短期解任前にモデルの安全性レビューについてOpenAIの幹部を誤解させたとも非難されている。
引用元:TechCrunch
OpenAI seeks to make its upcoming ‘open’ AI model best-in-class