OpenAIのo3モデル、運用コストが当初予想より高額である可能性

OpenAI ChatGPT

  • OpenAIの「推論」AIモデルo3の計算コストが大幅に上方修正
  • Arc Prize Foundationが当初3,000ドルと見積もった1タスクあたりのコストが約30,000ドルに
  • 高性能設定「o3 high」は低性能設定の172倍の計算リソースを使用
  • OpenAIが企業顧客向けに月額最大20,000ドルの特殊AIエージェントを検討中との噂も

o3モデルの計算コスト大幅上方修正

OpenAIが12月に「推論」AIモデルo3を発表した際、同社はo3の能力を示すため、高性能AIをテストするために設計されたベンチマークARC-AGIの制作者と提携した。数カ月後、その結果が修正され、当初よりもやや印象が薄れる形となった。

先週、ARC-AGIを維持・管理するArc Prize Foundationは、o3の概算計算コストを更新した。同団体は当初、テストしたo3の最高性能設定であるo3 highが単一のARC-AGI問題を解くのに約3,000ドル(約45万円)かかると推定していた。現在、Arc Prize Foundationはそのコストがはるかに高く、1タスクあたり約30,000ドル(約450万円)である可能性があると考えている。

高度AIモデルの運用コスト課題

この修正は、今日の最も高度なAIモデルが、少なくとも初期段階では特定のタスクにとってどれほど高価になる可能性があるかを示している点で注目に値する。OpenAIはまだo3の価格を設定していない—実際、リリースさえしていない。しかしArc Prize Foundationは、OpenAIのo1-proモデルの価格設定が妥当な代替指標になると考えている。

参考として、o1-proはOpenAIの現時点で最も高価なモデルである。

「私たちはo1-proが使用されるテスト時の計算量から、真のo3コストの比較としてより近いと考えています[…]」とArc Prize Foundationの共同設立者の一人であるマイク・クヌープ(Mike Knoop)氏はTechCrunchに語った。「しかし、これはまだ代理指標であり、公式価格が発表されるまでの不確実性を反映するため、私たちのリーダーボードではo3をプレビューとして表示しています」。

o3 highの膨大な計算リソース

o3 highがモデルで使用する計算リソースの量を考えると、高額な価格は予想外ではないだろう。Arc Prize Foundationによると、o3 highはARC-AGIに取り組むために、o3の最低計算構成であるo3 lowの172倍の計算を使用したという。

さらに、OpenAIが企業顧客向けに導入を検討している高額なプランについては、かなり以前から噂が飛び交っている。3月初め、同社がソフトウェア開発者エージェントなどの特殊AI「エージェント」に対して月額最大20,000ドル(約300万円)を請求する計画があるかもしれないと報じた。

費用対効率の疑問

OpenAIの最も高価なモデルであっても、一般的な人間の請負業者やスタッフが要求するコストをはるかに下回るという意見もあるだろう。しかしAI研究者のトビー・オード(Toby Ord)氏がXへの投稿で指摘したように、モデルは効率的ではない可能性がある。例えば、o3 highはARC-AGIの各タスクで最高スコアを達成するために1,024回の試行を必要とした。

引用元:TechCrunch
OpenAI’s o3 model might be costlier to run than originally estimated

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