米国ティーン72%がAIコンパニオン使用経験 – Common Sense Media調査で判明

AI Robot

  • Common Sense Media調査で米国ティーンの72%がAIコンパニオンを少なくとも一度使用経験あり
  • 52%が定期ユーザーで、うち13%が毎日、21%が週数回チャット利用
  • Character.AIの青少年自殺訴訟事件を背景に、AIの青少年への影響に対する懸念が拡大
  • 80%が実際の友人とより多く時間を過ごすと回答、リアル関係性への完全代替は限定的

Common Sense Media調査でAIコンパニオン普及率が明らかに

子どもと家族の生活に焦点を当てる米国の非営利組織Common Sense Mediaの新調査により、米国ティーンの圧倒的多数(72%)が少なくとも一度はAIコンパニオンを試用していることが判明した。

「コンパニオン」とは、宿題支援や画像生成、単純な質問応答を行う音声アシスタントではなく、ユーザーがより個人的な会話を行うために設計されたAIチャットボットを指している。

調査でのAIコンパニオンの定義には、Character.AIやReplikaなどの企業が提供するデジタルAIペルソナが含まれるが、望む場合により個人的な会話に使用できるChatGPTやClaudeなどの汎用チャットボットの使用も含まれる。

NORC研究チームによる代表的サンプル調査結果

調査では、AIとのチャットは米国ティーン(13~17歳)にとって魅力的であることが判明した。4分の3近くがAIコンパニオンを試用しただけでなく、52%が定期ユーザーだと回答している。これらのコンパニオンと定期的に関わる人の中では、13%が毎日チャットし、21%が週に数回チャットしている。

一度も試用したことがないと回答した4人に1人のティーンのうち、男子(31%)は女子(25%)よりもわずかにAIコンパニオンを使用したことがない割合が高かった。

調査結果は2025年4月から5月にかけて実施された調査に基づいており、1,060人のティーンの代表的サンプルを使用し、シカゴ大学NORCの研究者らによって実施された。

Character.AI訴訟とAIの青少年への影響懸念

すでにAIがティーンの福祉に与える影響について懸念が生じている。Character.AI社は、フロリダ州でのティーンの自殺とテキサス州での暴力助長について訴訟を起こされている。また、治療目的でAIを使用することの潜在的危険性を説明する多数の報告もある。

Common Sense Mediaの新調査結果は、若者がバーチャルな友情、情緒的支援、治療、ロールプレイングゲームなど、人間の相互作用をシミュレートするためにAIをどのように使用しているかの初期的理解を提供している。

ティーンのAIコンパニオン利用目的と行動分析

分析では、ティーンがどのような目的でAIコンパニオンに頼るか、その理由、その後の効果など、AIコンパニオン使用に関するその他の行動も調査した。

例えば、ほぼ半数(46%)がAIコンパニオンをツールやプログラムとして見ており、33%が社会的相互作用や人間関係のために使用していると回答した。ティーンは様々な目的でAIコンパニオンを使用している:娯楽(30%)、AI技術への好奇心(28%)、アドバイス(18%)、常時利用可能だから(17%)。

AI情報への信頼度と年齢層別傾向

ティーンの半数(50%)はAIコンパニオンが提供する情報を信頼していないと回答した。しかし、年上のティーンは13~14歳の若いティーンと比較してAIのアドバイスを信頼する可能性が低く、それぞれ20%と27%だった。

ティーンの3分の1は、実際の友人との会話よりもAIとの会話の方が満足感があると回答したが、大多数(67%)は逆の感情を持っていた。

実生活スキル練習の場としてのAI活用

さらに、39%が実生活での相互作用の練習としてAI会話を使用しており、39%が最初にAIで試したスキルを現実世界の状況に適用したと回答した。練習されたスキルの中で、社会的スキルが最も多い使用例で、39%のティーンがこの分野を探求し、続いて会話のきっかけ(18%)、アドバイス提供(14%)、感情表現(13%)だった。

リアル関係性とテック代替の境界線

実生活の関係がテクノロジーによって置き換えられるかという点では、一つの肯定的な発見があった:AIコンパニオンを使用したティーンの80%が、AIチャットボットよりも実際の友人とより多くの時間を過ごしていると回答した。逆が真実だと回答したのはわずか6%だった。

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